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デビューはいつ? ページ50

☆成田




ホント、綺麗?格好良いよね?アキトくん。
何人のBTSスタッフ(主に女性)に彼はいつデビューするの?と聞かれたことか。

Aと並んでも見劣りせず、アキトくんが笑うと背後に花畑が見えるくらいに彼は素晴らしい。
だけど、残念ながら、彼はアーティストではなくて、ベストセラー作家なのよね?
引き抜きたくても、引き抜けない。
なぜなら、ベストセラー作家だから。
出版社を敵には回せない。

彼がデビューする日はこないわ。

Aが寝てしまい、手持ち無沙汰になった彼は、メガネをかけて本を読む。
その姿を盗み見して、BTSスタッフが嘆息をもらす。

わかるわ。
わかるわよ。
アキトくん、絵になるの。
写真撮りたくなるわよね?
でも、写真はNGよ!
彼は一般人だから。

もうすぐ着陸というところで、

「A、起きて。」

そうAを起こすアキトくん。
あ、声も良いのよ。彼。
何人ものスタッフがチラチラと彼を見ている。

「ん〜、だれ?」

いつの間にかアイマスクをしていたAは、アイマスクを取らないから、そんなことを呟く。
いつの間にこの子は帽子を脱いでアイマスクに変えたのかしら?

「あは、Aは、馬鹿だな。アイマスクをとらなきゃ、見えないでしょ?アキトだよ。」

アキトくんは笑いながら、Aのアイマスクを取り、彼女に帽子を被せている。
Aの帽子、アキトくんが持ってたのね。

「ん、アキト?」

「そうだよ。」

Aの頭を撫でる彼は本当に慈愛に満ちている。

"尊い"

誰かが呟いた。
私もそう思うわ。

「あ、Aの友達、Aのこと、気にしてたから、連絡しておきなよ?」

「ん、了解です。」

話してる内容は兄と妹っていうより、母と娘、だけどね。






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作者名:ちな | 作成日時:2022年6月6日 7時

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