サインください… ページ42
☆
アキちゃんの仕事の一つにサイン会がある。
アイドルのサイン会とはまた違い、
アキちゃんは、ゲリラでやるので、質が悪い。
アキちゃんのファンが必ずしもいるとは限らないのに…。
まぁ、ファンの方もそれを知っているから、次はどこだ?なんて予想大会をしているみたいで…。
「来ちゃった。」
アキちゃんにそう言えば、
「来ちゃったじゃないでしょ?」
呆れ顔のアキちゃんに、本を差し出す。
「サインください。」
そう言えば、アキちゃんはため息を一つついて、サラサラと本の背表紙にサインを書いた。
私の名前を書くことも忘れない。
流石〜。
「こんなとこ、来て、騒ぎになるんじゃない?お仕事は、終わったの?」
アキちゃんは、そう言うとチラリと、スタッフさんを見た。
「Oui」
「あっちのスタッフに控室に、連れて行ってもらって。」
「Oui、アキちゃん。」
そう言って、スタッフの方へ、行こうとしたら、後ろの人に腕を掴まれた。
「え?あ…ナムジュンさん?」
後ろにそう言えば、只ならぬ気配があるとは思っていたけど、知り合いでしたか。
「サインください。」
ナムジュンさんは、私の手を離さず、アキちゃんにそう告げた。
アキちゃんは苦笑いして、
「お名前は?」
と、サイン会を続ける。
流石、アキちゃん。
「キム・ナムジュンです。」
「はい、どーぞ。」
「ありがとうございます。さて、Aは、なぜここに居るんだ?」
「アキちゃんを冷やかしにきました。」
笑って告げれば、アキちゃんは声を抑えて、笑いだし、ナムジュンさんは、呆気に取られた顔をした。
「とりあえず、二人共、あっちのスタッフに付いてって。僕はサイン会をしなきゃだから。」
と、アキちゃんに言われ、半強制的にスタッフに誘導されてしまった。
…
562人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちな | 作成日時:2022年6月6日 7時