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サインください… ページ42





アキちゃんの仕事の一つにサイン会がある。
アイドルのサイン会とはまた違い、
アキちゃんは、ゲリラでやるので、質が悪い。
アキちゃんのファンが必ずしもいるとは限らないのに…。
まぁ、ファンの方もそれを知っているから、次はどこだ?なんて予想大会をしているみたいで…。

「来ちゃった。」

アキちゃんにそう言えば、

「来ちゃったじゃないでしょ?」

呆れ顔のアキちゃんに、本を差し出す。

「サインください。」

そう言えば、アキちゃんはため息を一つついて、サラサラと本の背表紙にサインを書いた。
私の名前を書くことも忘れない。
流石〜。

「こんなとこ、来て、騒ぎになるんじゃない?お仕事は、終わったの?」

アキちゃんは、そう言うとチラリと、スタッフさんを見た。

「Oui」

「あっちのスタッフに控室に、連れて行ってもらって。」

「Oui、アキちゃん。」

そう言って、スタッフの方へ、行こうとしたら、後ろの人に腕を掴まれた。

「え?あ…ナムジュンさん?」

後ろにそう言えば、只ならぬ気配があるとは思っていたけど、知り合いでしたか。

「サインください。」

ナムジュンさんは、私の手を離さず、アキちゃんにそう告げた。
アキちゃんは苦笑いして、

「お名前は?」

と、サイン会を続ける。
流石、アキちゃん。

「キム・ナムジュンです。」

「はい、どーぞ。」

「ありがとうございます。さて、Aは、なぜここに居るんだ?」

「アキちゃんを冷やかしにきました。」

笑って告げれば、アキちゃんは声を抑えて、笑いだし、ナムジュンさんは、呆気に取られた顔をした。

「とりあえず、二人共、あっちのスタッフに付いてって。僕はサイン会をしなきゃだから。」

と、アキちゃんに言われ、半強制的にスタッフに誘導されてしまった。






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作者名:ちな | 作成日時:2022年6月6日 7時

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