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マイペース ページ31

☆S.COUPS



A達の楽屋挨拶は各アイドルグループのマネージャー達が、スケジュールを組んで番組前と、番組終了後、時間調整をして、さながらサイン会のようだ。
廊下に溢れるアイドルとスタッフ。
俺達は、番組終了後の一番最後だった。

「なんで、最後なの〜?」

帰る準備を終えて、彼女達の控室へと歩く中、不満そうにホシが漏らす。
確かに番組後は、私服だし、パフォーマンス後だしで、状態的には完璧ではない。

ドアをノックして、中に入れば、

「あ、お疲れ様〜」

と、私服に着替えたアリンさんが出迎えてくれた。

「お疲れ様。あれ?Aは?」

ハニがそう聞くとアリンさんは、

「今、着替えてるよ。ちょっと待ってね。」

と苦笑い。
ほぼ、出演者が皆挨拶に来てしまい、なかなか着替えに行けなかったとか。
挨拶って、新人の時以外は、ささっとマネージャーがやることが多いのにな。

「あ、あ〜」

なんて声を出しながら、部屋に入ってきたAは、すっかり女性に戻っていた。
オーバーサイズのTシャツに膝上のパンツスタイルの彼女は女の子にしか見えない。
ステージ上のあの色気あふれる男は誰だったのかって感じだ。
…彼女なんだけどな。

「お、SEVENTEEN、お疲れ様。じゃあ、行く?」

ひらひらと手を振った彼女はそう言う。

「え、」

「行くって?」

何人かのメンバーが呟き、Aはアリンさんを見る。

「え、アリン、言ってないの?」

「言う前にAが帰ってきた。」

「え、SEVENTEENのマネさん、NGな感じ?」

「いや、言い忘れただけ。」

「ユウちゃん」

「大丈夫、予約してある」

「じゃあ、行こうか」

アリンさんと、何故か、うちのマネヒョンと、あれは多分、Aのマネージャー?と話したAは、ボディバックを手に持ち、言う。

「だから、どこに?」

耐えきれず、ジフナが言うと、

「え、ご飯。皆、おなかすいてるでしょ?」

首を傾げて言うA。
メンバーがマネヒョンを見ると彼は頷く。
あぁ、そういうこと。
だから、俺達が最後だったのか。

「私、お腹すいたよ。さっさと行こう?」

やっぱり、彼女は、RIOヒョンと兄妹だ。
彼女はとてもマイペースだった。





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作者名:ちな | 作成日時:2022年6月6日 7時

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