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イケメンを拾う ページ12




95's女子会の帰り道。

確かにね。
口に出したよ。

「どこかにイケメン落ちてないかなぁ」

って。

まさか、本当に落ちてた!

…なんて、ドラマじゃないんだからさ。

「お〜い、お兄さん、大丈夫?」

そう声をかけても、目を閉じたままのイケメン。
帽子とマスクをしているところを見るに、同業者っぽいんだけどな。

ああ、この人は…。

そっと、その額に触れる。
滲む汗と私の手より熱い額。
浅く息をする彼に、あぁ、発熱か。と納得した。

「仕方ないなぁ。」

よいしょ、と彼を背負う。
私の住むマンションの横の脇道に座り込んでいた彼。
同業者は、一般成人男性より軽いから運べるはず…。
まぁ、私が今、酔っ払いで、リミッターが外れてるから、背負えるだけだけど…ね。
明日がヤバイわぁ。多分。

セキュリティを抜け、自分の部屋はまずいよね?ってことで、とりあえず、RIOの家に彼を運ぶ。
RIOは今、日本だから居ないし。

RIOの家の客間のベッドに彼を転がして、帽子とマスクを外した。

RIOの家、備え付け?の薬や冷えピタ、水を出し、あぁ、服も変えたいよね?
RIOのパジャマで良いか。
体拭くタオルと…。

色々出して、彼の寝ている部屋に行く。

私、介護できるんじゃね?と思いながら、寝ている彼の体を拭き、着替えさせ、冷えピタを貼る。
熱を測れば、それなりに高い。
職業柄、体調悪いのを隠すのが日々、上手くなって、無理をしちゃうよね。
私らは猫かなにかかって、思うよ。

酔っ払いなら、ここまでやらないけど、病人だしねぇ。

顔を見れば、相変わらず、浅い息をしているものの、苦しさが減ったみたい。
現役は大変だねぇ。
なんて思いながら、彼の頭を撫でた。

彼の着ていた服を洗濯機に入れて、彼のメンバーに連絡する。
良い大人が一晩居なくても、問題にはならないとは思うけど、心配していたら、大変だしね。

彼はこの場所は確か、知ってるはずだし…。

明日、医者でも呼ぶかな。

そう思いながら、欠伸を噛み殺した。




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作者名:ちな | 作成日時:2022年6月6日 7時

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