イケメンを拾う ページ12
☆
95's女子会の帰り道。
確かにね。
口に出したよ。
「どこかにイケメン落ちてないかなぁ」
って。
まさか、本当に落ちてた!
…なんて、ドラマじゃないんだからさ。
「お〜い、お兄さん、大丈夫?」
そう声をかけても、目を閉じたままのイケメン。
帽子とマスクをしているところを見るに、同業者っぽいんだけどな。
ああ、この人は…。
そっと、その額に触れる。
滲む汗と私の手より熱い額。
浅く息をする彼に、あぁ、発熱か。と納得した。
「仕方ないなぁ。」
よいしょ、と彼を背負う。
私の住むマンションの横の脇道に座り込んでいた彼。
同業者は、一般成人男性より軽いから運べるはず…。
まぁ、私が今、酔っ払いで、リミッターが外れてるから、背負えるだけだけど…ね。
明日がヤバイわぁ。多分。
セキュリティを抜け、自分の部屋はまずいよね?ってことで、とりあえず、RIOの家に彼を運ぶ。
RIOは今、日本だから居ないし。
RIOの家の客間のベッドに彼を転がして、帽子とマスクを外した。
RIOの家、備え付け?の薬や冷えピタ、水を出し、あぁ、服も変えたいよね?
RIOのパジャマで良いか。
体拭くタオルと…。
色々出して、彼の寝ている部屋に行く。
私、介護できるんじゃね?と思いながら、寝ている彼の体を拭き、着替えさせ、冷えピタを貼る。
熱を測れば、それなりに高い。
職業柄、体調悪いのを隠すのが日々、上手くなって、無理をしちゃうよね。
私らは猫かなにかかって、思うよ。
酔っ払いなら、ここまでやらないけど、病人だしねぇ。
顔を見れば、相変わらず、浅い息をしているものの、苦しさが減ったみたい。
現役は大変だねぇ。
なんて思いながら、彼の頭を撫でた。
彼の着ていた服を洗濯機に入れて、彼のメンバーに連絡する。
良い大人が一晩居なくても、問題にはならないとは思うけど、心配していたら、大変だしね。
彼はこの場所は確か、知ってるはずだし…。
明日、医者でも呼ぶかな。
そう思いながら、欠伸を噛み殺した。
…
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作者名:ちな | 作成日時:2022年6月6日 7時