- I was fooled by him.4 -

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黒歴史ページ22

☆

中学時代に、流行った"昇龍拳ごっこ"。

あれは中学1年生の時

男子は昇龍拳。しゃがんで回ってジャンプ、
女子は春麗に習って蹴り技。回し蹴りが多かった。

なんて馬鹿なことをやっていたんだろうって今なら思う。
若いって、怖い。ノリって、ヤバい。

何故か、学年で、コンテストがあって、先生もノリノリでみんな馬鹿だった。
いくら、自由な校風っていってもさ、学校でそんなイベントするなんてね？

"ごっこ"だから、蹴り合ったり、殴り合ったりはしない。

何故か、決勝まで行ってしまい。
相手は男子だった。

「はっ、女なんて…」

と、言われた瞬間、頭きて、フリだけど腹パン一発。

優勝してしまった。
黒歴史。
あの時の私、なんだったんだろう。
若いって、怖い。ノリって、ヤバい。

『A、ドラマのメイキングに"昇龍拳ごっこ"の話入ってる。皆、大爆笑よ？』

久々にきた亜梨沙からの電話。

「やめて！私の黒歴史」

私がそう呟くと、

『ん、ふふ。アンタだけじゃないわ。皆の黒歴史よ。恥ずかしいから、話すのやめてね。』

笑いを含んだ声で言われた。

「もちろん。」

そう返すと、

『Aが日本に帰国してたなら、私も帰ればよかった。』

と亜梨沙は言ってくれる。

「会えなくて残念だった。けど、仕事だったから…」

私がそう言うと、

『まぁ、Aの休暇にコッチ、遊びおいで。』

と言われた。
亜梨沙は、今、世界中を飛び回る仕事をしているから。

「うん。」

それから少し話して、電話を切った。
"昇龍拳ごっこ"の話は、誰にも言わないっと固くかた〜く、心に決めた。

…