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◎393 ページ45

◎LISA





「え?誰?」

アレックスから新しい仕事の話を聞いたAは、新たなコラボ相手に首を傾げた。

「MAMAMOOのファサ。」

アレックスは、ため息をついて、再度、話す。
この様子だと、Aは知らないな。
結構有名なのに。
彼女とコラボしたいアーティストは多いって聞いてる。
今回は彼女の方からこっちに依頼があったんだけどね。

「ママム?知らないなぁ。」

やっぱり…知らないわよね。
っていうか、根本的に興味がない、が正解か。

「ほら、DVD。見ろって。」

MAMAMOOのコンサートDVDを数枚アレックスは、Aに渡した。

「ん〜、で?」

首を傾げて言う彼女に

「ルーカス曰く、Aが良ければコラボするって。」

アレックスは、そう言った。

「良くなかったら?」

良くなかったら、って普通は聞かないけど、まぁ、Aだし、ね。

「話はなしになる。」

顔を引きつらせながら言うアレックス。
このコラボは是非って話だものね。

「ふぅん。じゃあ、数日待って。」

ひらひらと手を振って、DVDを手に席を立つ、A。
とりあえず、DVDを見るんだね。

「了解。」

アレックスは、ため息を付き、答える。

Aが部屋を出ていき、パタンとドアが閉まった。

「アイツの同業者に興味なし、どうにかならないか?」

アレックスは、そう言うけど、

「自身の正体隠してる時点で、どうにもならないわよ。」

と、答えておいた。

断ることも念頭におかなきゃね。
ルーカスが話を持ってきているから、ファサ自体に問題はないはず、なんだけど…ウチの歌姫は、気まぐれだからなぁ。

何かが有れば…でも、何かがなくても、Aがどうするかなんて、予測不可能だわ。



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作者名:ちな | 作成日時:2022年9月7日 17時

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