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私？というか、Unnamedの新作アルバムが発表された。
とりあえず、相談していたリウには、発売前だけど、出来たものを送り、今、目の前にはユンがいる。
「良いのか？」
なんて、キラキラした目でこちらを見るユン。
「相談に乗ってもらったし…。後は発売日が来るのを待つだけだから、どうぞ。」
そう言って、ヘッドフォンを渡せば、
「嬉しいなぁ」
とか言いながら、ヘッドフォンを受け取るユン。
何故か椅子の上に姿勢良く正座を始める。
「え、」
なんで、皆、姿勢を正すの？
そう聞く前にユンは試聴を始めた。
あ、コレ。
全部聴くやつか…。
そう思いながら、コーヒーを飲む。
正座と姿勢を正すのは、なんの意味があるんだろう？
そんなふうに曲を聴くのは不思議の国のジスだけだと思ったのになぁ。
ユンもいつの間にか、不思議の国の住人になっていたのかな？
なんて思いつつ、目を閉じて、アルバムを聴き入る彼を呆れた目で見つめた。
私が"Unnamed"に嫉妬したから、私の居ないところで先に、全曲試聴したジスは、今回のアルバムを褒めてくれた。
「Aの魅力が存分に生かされている。」
って。
嬉しいような、でも、私じゃなくて、Unnamedなんだけど…。
私が作った曲も、褒めてくれた。
ジスだから、なぁ。
例え、出来があまり良くなくても、言葉を選んでくれるんだろうけど…。
チラリと、ユンを見れば、ヘッドフォンを両手で持ち、目を閉じている。
暫く彼は動かなそうだ。
▼
誰よりも早く、Aの新作アルバムを試聴させてもらえた。
彼氏特権だよね。
"放置は嫌だ"って。
Unnamedに嫉妬するA、可愛かったなぁ。
"ジスは"私"だけ、見てて？"
なんて、言われなくても、僕はAしか見えないけどね。
「あ、また、ヒョンがニヤニヤしてる。」
「あれ、通常だから、気にするな。」
メンバーがなんか言ってるけど、今日の僕はご機嫌だから、気にしない。
「ヒョン、アンのアルバムさぁ、今回、アンの作詞&作曲のヤツ入るんでしょ？」
ジフナがスマホ片手に、声をかけてきた。
「そうなんだ！楽しみだね。」
ハニも会話に加わる。
「うん。」
"僕はもう聴いたけどね？"
その言葉は口から出さない。
メンバー相手にマウントを取る必要もないし。
「予約しなきゃ。」
「…だね！」
メンバーは、皆、Unnamedのファンだし…。
ファンは大事にしなきゃ、ね？
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2022年9月7日 17時
