▼369 ページ21
▼
毎晩、Aに"オヤスミ"って言ってもらったから、ツアー中の僕は快眠で、珍しく、肌艶もよく体調も良かった。
「ヒョン、絶好調だね」
目をパチパチさせて言うホシに笑顔を返す。
結局のところ、自分のタオルにAの香水をつけていたことは、メンバーにバレちゃったけど、Aの香水は、誰にも貸してないから、匂いがするのは僕のタオルだけ。
たまに、匂いを嗅いでる不届き者がいるけど、まぁ、しょうがない。
彼女の匂いは良い匂いだからね。
男だらけのこの場において、良い匂いを嗅ぎたくなる心境になるのも、仕方ないからね。
"誰かが、こういう匂い好きなんだよね"とか言うと、コンサート会場が臭くなるから、僕達はあまり口にしない。
アイドルあるあるだよね。
コンサート会場が香水臭いってヤバイよ。
サイン会も臭くなるしね。
一人なら、まだ良いんだけど、大勢が同じ香水つけるとさ、ヤバいくらい匂うんだよね〜。
企業とのコラボでもなきゃ、やってられないよ。
「そう言えば、ヒョン。Aちゃんの香水ってどこの？」
スングァナに言われて、首を傾げる。
「どこ、だったかな？」
そう答えながら、そう言えば、見たことない瓶だったし、同じ匂いを嗅いだ覚えがないな。
「今度、聞いてみる」
そう、スングァナに言えば、彼女の香水の匂いを、気に入っているメンバーがこちらを見ていた。
なに、君たち、買う気？
そんな視線を向ければ、慌てて僕から視線をそらした。
全く、いつも言ってるじゃないか。
Aは、僕のものだよって。
彼女が魅力的なのは知ってるし、僕が羨ましいのはわかるけどね？
例え、メンバーにだって、譲らないよ？
彼女は僕のものなんだから。
まぁ、憧れる？のは、仕方ないよね。
僕のAは極上の彼女なんだから。
彼女が欲しければ、皆、自分で探しなよ。
A以上の女なんていないけどね。
あぁ、早く帰りたい。
Aに会いたい。
Aに触れたい。
僕の名前を呼んでほしい。
…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 344人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちな
| 作成日時：2022年9月7日 17時
