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悪戯心 ページ14

リアside


「リア様、お気づきですか?」

側近の呆れた声に、そちらに視線を向ける。

「貴女が"ナム"と呼ばれている男はキム・ナムジュンですよ。」

「…だれ?」

「やっぱり、気づいてなかったんですか?」

側近はそう言いながら、ため息をつく。

気づかない訳はないけど、

「…それは重要なこと?」

「ナムジュンは、クォンと仲の良いキム兄弟の、弟です。」

ソレがどうしたと言うのか。
この側近は使えないかも…。
ナムを迎え入れる前に切らなければ…。

「…そう。」

「リア様…」

何か言いたげに、こちらを見る側近。

「君は、今日でクビね。」

部屋にズカズカと入ってきた男はそう言うと、側近だった男を部屋から追い出した。

「リア様、只今戻りました。」

私の前で頭を下げる彼は、たった今、側近だった男をクビにした私の唯一の部下。

「ご苦労さま。ヒョヌ。」

私がヒョヌにそう言うと、彼はニコリと笑って頭を上げた。

「馬鹿な子を隣に置くのはお止めになったのですね。」

ヒョヌは、そう言う。

「馬鹿な子を操るのは面倒だって気づいたの。」

ふぅと息をついて言うと、ヒョヌはくっくっと笑い出す。

「Aの隣は"頑張り屋さん"が、なら、私の隣は私を傀儡とできるような"賢い子"が良いかなって。」

半分本音を漏らすとヒョヌは楽しげに目を細めた。

「またお戯れを。」

「ナムが来るまでに、こちらも準備を。お父様の息のかかる人は要らない。」

「承知いたしました。…あの人は焦るでしょうね。」

ヒョヌが楽しげに呟く。

「ナムに乗っ取られるとでも思うんじゃないかしら?でも、クォンの騒ぎを知っていれば、口を出せないでしょう?」

ふふと私も笑ってしまう。
いつも女は従順であれ。なんておっしゃるんだから。
本当、馬鹿よね。
今まで従順だったのは、こちらの力をつけるため。
自分の良いように"私を"動かせると勘違いさせるため。

「本当いいタイミングでAが動いてくれた。ちょっと早い気もするけど、世代交代の時期なのかしらね。」

私がそう告げれば、ヒョヌは、

「リア様、私は大分待ちましたよ。」

なんて、不満げに呟く。

「仕方ないでしょ?半々だったんだもの。」

このまま、傀儡として生きるか、
父達を追い落として、生きるか。
私はどちらでも良かったのよ。
ただ、Aを見ていたら、ちょっと動いてみようかな。なんて、悪戯心が芽生えた、ただそれだけ。




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作品ジャンル:恋愛
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作者名:ちな | 作成日時:2021年10月8日 18時

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