え、あ、無理 3【JM】 (ページ39)

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ヌナと僕 2　TH ページ39

TH

シオニは、そんなヌナに笑いながら、

「サランは、テヒョナに甘いなぁ。」

と言って、僕の隣りに座った。

「今まで、Aが居たから、テヒョナやシオナ、あ〜、あと、キム家とチョン家とミン・ユンギは、守られてた。まぁ、私はテヒョナとシオナ以外はどうでも良いんだけど…」

ヌナがそう話していると、秘書さんが飲み物を持ってきて、テーブルに並べる。

「Aが決めてしまって、発表した以上、これから、動き出すだろう？年頃の令嬢とその親は必死だ。」

シオニは苦笑いして、そう言う。

「一番、狙われやすいのは、テヒョナとチョン・ジョングクだろうね？」

コーヒーを一口飲み、言うヌナは視線をシオニに向けた。

「まぁ、そうだろうね。テヒョナはサランが目をかけるから、多分、ジョングクが一番かな。」

シオニは、天井を見上げて言った。

「私は、チョン・ジョングクに興味はないが…二人はどうしたい？」

ヌナは僕とシオニに聞いた。

「ジョングクの兄は、あんまりわかってなさそうなんだよなぁ」

シオニはポツリと呟いた。

「僕は出来れば守ってあげたいよ。グクはAも可愛がってる弟だし。」

僕がそう言うと、ヌナは、1つため息をついた。

「わかっていた"答え"だけど。テテは優しいな。シオナ」

とヌナは呟く。

「はいはい、了解です。」

二人の間で話は纏まったみたい。
すっと、僕が、渡したスマホと新しいスマホがテーブルに置かれる。

「今まで使ってたスマホは、多分ナンバーが出回ってるから、新しいスマホ用意したよ。Aには、連絡済み。」

シオニの言葉に、内心で驚きつつ、

「あ、ありがとう。」

とお礼を言う。
相変わらず、リュウ家の情報網は侮れない。

「テヒョナが、ちゃんと幸せになれる人を見つけるまでは、私が君を守ってあげるから、ゆっくり探しなね。」

ニコリと笑いながら告げるヌナに

「ありがとう、ヌナ」

僕はそう言うしかなかった。
ずっと、僕はAに"選ばれなかった"と思っていた。
僕は"選ばれる方"の立場だって。

でも、ヌナは全部わかった上で、" 探しなさい"って言ってくれた。
素直に嬉しかった。

…