え、あ、無理 3【JM】 (ページ38)

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ヌナと僕　TH ページ38

TH

サランヌナと待ちあわせた駅。
人が多い場所だけど、僕はとりあえず、
他の人の邪魔にならないところに立つ。
ヌナは探さなくても…

「テヒョナ、10分前行動。偉い。」

ギュッと後ろから抱きしめられて、そう言われた。
彼女の背を追い越して、身体づきだって、男になったのに。
いつまで経っても、彼女に取って僕は、"弟"なのかな？

「ヌナ、昨日ぶりっ」

と僕が笑うとヌナは嬉しそうに目を細めた。
すっとヌナは僕の手を握り、

「あっちに車停めてるから、行こう。」

と、歩き出す。
僕は悪戯心からヌナの手を恋人つなぎにして握ってみた。

ほら、僕の手はヌナより大きい。

ヌナはちょっと驚いた顔をしたけど、
そのままにしてくれるから、嫌じゃないみたい。

黒い高級車の後部座席に乗って着いたのは、ヌナの管理してる会社の一つ。
自社ビルの地下駐車場に車は止まり、ヌナに手をひかれて、僕は社長室直通エレベーターに乗った。

「サラン、早かったな。」

エレベーターを降りたところで、シオニが待っていた。
そして、僕とヌナの恋人繋ぎしている手を見て、苦笑い。

「シオナ、準備は？」

ヌナの言葉にシオニは、

「できてるよ。」

と言いながら、僕達の後ろをついて歩く。

「テヒョナ、楽にしてて、なにか飲み物を。」

ソファに僕を座らせると、ヌナはそう言った。
秘書さんが一人、部屋を出ていった。

「さて、テヒョナ。スマホ出して。」

ヌナに、言われるままスマホを出してヌナに渡した。
ヌナはソレを、シオニに渡し、シオニは部下に渡していた。

「Aが"婚約発表"をした。
この意味、わかるよね？」

ヌナは、そう言うと、ソファに座り、足を組む。
そんなに大事になるとは思えないけど、一応、僕は頷いた。

…