え、あ、無理 3【JM】 (ページ32)

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有言実行ページ32

ユア

まさか、ここまでとは、ね。

高校からの同級生のパク・ジミンがクォン・Aに惚れ込んでいたのは、知っていた。

Aは普段ぽわぽわしているくせに勉強はできた。
彼は高校入学時は勉強ができると言われる部類じゃなかったはず。

Aは、高校では常に学年トップで、私も勉強だけは出来たから、そこで彼女と友人になれた。
高1の初めての定期テストの結果、
張り出された学年のトップ10に彼は居なかった。
彼女が一番、キム・テヒョンが二番、私が三番だった。
でも、次の定期テストでは、私は4番になり、三番にパク・ジミンが入っていて、それは、卒業まで変わらなかった。
彼が彼女のことを想っているのを気づいたのはいつだったか。
大学進学も、私にリサーチして、Aと同じ大学に進学した彼は常にAを追いかけていた。
彼に協力しようと思ったのは、そんな、頑張ってる彼にチャンスをあげたかったから。
あと、Aに幸せになって欲しかったから。
二人が付き合えば良いのにな。
なんて、第三者だから、気楽に思っていたけど。
Aがお嬢様だってカミングアウトされた時に、あれ？彼大変なんじゃ…って気づいたよね。
彼女の隣に立つためには、沢山いろんなことを頑張らなきゃいけなくて…。
あの子、大丈夫かな？なんて思っていた。

「本気なの？」

と、聞けば、輝かしい笑顔を浮かべて、

「僕は絶対Aの隣に立つよ。そのための努力は惜しまない」

って言い切られたな。そう言えば。

今、私はハヌルオンニのお手伝いで、
Aとパクくんの婚約発表のパーティ会場にいる。

"クォン"は、上流階級では当たり前に、上位にいる家系らしく、Aが凄いところのお嬢様だって、様々と見せつけられている。
そんな彼女をエスコートして、堂々と隣に立っているパクくん。嬉しそうな笑顔が、輝いている。

有言実行だったね。凄いわ。

今、彼は飛ぶ鳥を落とす勢いのある若手実業家になっていた。

あれ？

キラキラした彼らに会場スタッフとなっている私が近づけるわけもなく、遠巻きに見ていたが、彼らが話しているのって、キム・テヒョンじゃない？
パクくんと、彼が友達なのは知っていたけど。

Aと仲良過ぎない？

って言うか、キムくんてこんなパーティに参加できる家柄の子だったんだ。

私もなんだかんだと、凄い世界に足を踏み入れてしまったな。

と思った。

…