え、あ、無理 3【JM】 (ページ29)

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後悔ページ29

ジフン

"Aの婚約者は、この子なの。"

Aの祖母の言葉を聞いて、出たのは、

「は？」

その言葉だった。
Aの側近だと思っていた若い男は、彼女を宝物のように抱きしめているし、彼女は彼の腕を払うことなく、逆に抱きついている。
僕のことは振り払ったのに？

「誰だ、お前。」

低い声が出た。
Aの一番近くにいたキム・テヒョンでもリュウ・シオンでもない。
いつもAの傍に居たキム家でも、ミン家でも、チョン家でもない。
こんな男は、知らない。
男を睨みつけていれば、彼らを隠すように、もう一人の側近が彼らの前に立った。

「チェ家の坊、私、孫には幸せな結婚をして欲しいと願っているの。だから二人の邪魔はしないで頂戴。」

Aの祖母はそう言うと、僕の目を見て、笑った。

あぁ、終わった。
もう、Aに手は出せない。

格上の家の現当主に"邪魔するな"と釘を刺された。

ただ、僕はAが欲しかっただけなのに。
彼女と愛を育みたかっただけなのに。

こんなことなら、彼女のすべてを奪っておけば良かった。
愛のある行為を、なんて思わなければ、ワンチャンくらいあったのかもしれない。
欲しかったのなら、全て奪えば良かったんだ。
僕の思うままに。
もう、手は届かない。
一度は手に入れたのに。

後悔しても遅かった。

Aは、僕の手からほかの男の腕の中へ行ってしまい、彼女の祖母からは釘を刺された。
あぁ、なんてことだ。

…