指名 JM ページ17
JM
自宅に居たら、ミンジュンさんが訪ねてきて、一つの書類を渡された。
「シオン様が"この情報を以って貴方が判断するように"、と。」
ミンジュンさんはそう言うとニコリと笑い、
「どうするか、決めたら私に連絡してください。」
そう言うと、帰って行った。
シオニヒョンから指名された仕事。
書類を読む限りは、何か特別な感じはしない。
でも、よく考えろ。
わざわざ自宅まで、届けられたんだ。
なにもないわけが無い。
判断しろとはどういうことだ？
これには何が隠されている？
これだけじゃわからない。
判断するだけの情報がない。
情報がなければ、正しい判断もできないじゃないか。
僕が欲しい情報を持っているのは誰だ？
一番情報を持っているのは、Aだけど…。
多分、これは早急に判断しなきゃいけない案件だ。
じゃ、なければ、家にまで持ってくるはずはない。
テヒョナの家に足を向けた。
「ジミナ、どうしたの？」
「あのさ、聞きたいことがあるんだけど。」
「とりあえず、中入って」
テヒョナにリビングに通されて、二人でソファに座る。
「ねぇ、テヒョナ。チェ・ウヌって知ってる？」
書類に書いてあった名前は、チェ・ウヌ。
「知らないな。誰？」
「じゃあ、カン・スアは？」
でも、僕が、チェ・ウヌから導き出した名前はカン・スア。
僕の出した名前にテヒョナは、驚いた。
「その名前をどこで？」
「ちょっとね。知ってる？」
「うん、カン・スアは、知ってる。」
グッと拳を握ったテヒョナ。
「カン・スアは、シオニを執拗に欲しがった女だよ。最近は表舞台に出てきてないけど…。」
テヒョナは、そう言うと僕に視線を向けた。
「カン・スアがどうしたの？」
僕は手に持っていた書類をテヒョナに渡した。
「…これ」
「実行者はチェ・ウヌだけど、裏で糸引いてるのは、カン・スアだと思うんだ。これだけじゃ判断できないけど、多分、シオニヒョンの引き抜きのために仕掛けられたトラップか何かだと思う。」
僕の言葉にテヒョナは、グッと唇を噛んだ。
「だから、ヒョンは関わらせたくない。」
僕の言葉にテヒョナは、書類から僕に視線を向ける。
「でも、僕はまだ力がないから、僕は誰を頼ればいい？ねぇ、テヒョナ？」
「わかった。ジミナ。Aのとこ行こう」
そう告げるとテヒョナは、Aの部屋へと僕を連れて行く。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2021年9月18日 13時
