距離感 ページ2
ー
自宅マンションのリビングでくつろいでいたら、
「A〜、ただいま〜。」
そう言って、私をハグするリュウ・シオン。
「え、あ、シオニ。」
昔から彼は私をことあるごとに抱きしめる。慣れているから、別になんとも思わない。
「暫く韓国に居ることになったから、泊めてね。A」
ニコニコして言う彼の言葉に驚く。
え、ここに泊まるの？
ホテルとかは？
「Aの"彼氏"につかなきゃいけないから、良いでしょ？駄目なんて言わないよね？」
断れない言い方をするシオニにため息をつく。
「ねぇ、A、ソクジニの息がかかったやつがいるマンションになんで住んでるの？」
シオニは私の肩にぐりぐりと額をつけて聞く。
「ここは、元々は私が住んでたマンションだよ。」
そう言うと、ぐりぐりをやめ、
「ふーん、ホント、(ドソニ)ヒョンは鈍臭い。」
小さく何か呟くシオニ。
「え？」
「なんでもない。ご飯作って。お腹すいた」
「はいはい。」
いつでも自由なシオニに、苦笑いしてしまう。
幹部の中でも付き合いが長く、年も近いシオニは、幹部と言うより友達とか、そういう感じ。
明るく、人懐っこいシオニは、驚くほど仕事はできるらしい。
まぁ、気がついたら、古参幹部になってるし、謎が多いんだよね。
シオニと夕食を食べていたら、
「え、誰？」
ジミナが帰ってきて、シオニを見て呟いた。
「君こそだれ？」
シオニはジミナを見て首を傾げる。
「シオニ、ジミナは…」
彼氏と言おうとしたら、カタンとシオニがグラスを倒した。
「あ〜、ごめん。こぼした〜。」
シオニは、そう言いながら、グラスを立てる。
「やぁ！シオニ、ちょっとびしょびしょじゃない。シャワーして来て。」
タオルでシオニを拭きながら、言うと、
「うん、ごめんね。A許してね」
シオニは、私の額にキスしてから、シャワーを浴びに行った。
視線を感じでジミナを見たら、目を見開いて固まっていた。
「ジミナ？」
「ごめん、ちょっと」
そう言うと、ジミナはフラフラと部屋を出ていった。
「え、あれ？ジミナ」
ジミナの様子に呆然としていると上半身裸のシオニが風呂場から出てくる。
「A〜、着替えがない〜。」
シオニがそういうので、
「隣、テテいるから。テテに借りて。」
「お、はぁい。」
シオニは上は裸、下はバスタオルを巻いたまま、隣のテテの家に行った。
「はぁ、全く。」
シオニは、相変わらず、自由人だ。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2021年9月18日 13時
