Stay close beside me.

50.ニヤニヤが止まらない ページ50

50.Joshua






『私ね、どんな人混みでもジスを見つける自信あるよ。』

そう自信満々に告げるAが可愛いし、嬉しい。
ニヤニヤとニヤけてしまう己の頬を引き締める術を僕は持ち合わせていない。
歌謡祭が終わって帰宅してから、Aに電話した。
彼女はメンバーと同室だから、テレビ電話じゃないけれど、彼女の声が聞けるだけでも幸せだ。

今日の歌謡祭は、沢山出演者が居た。
ステージに立てば、大きなモニターで会場に己の姿は映し出されるけれど、モニターではなく席に座ったり移動したりする僕を見ていたなんて、可愛いことを話す愛しい彼女。

「僕だってちゃんと見つけるよ。」

負けじとそう話せば、

『うん、知ってる。』

なんてAが返すから。

「会いたいな。」

とぽろりと言葉が溢れた。

『うん、会いたいね。』

当たり前のようにそう言ってくれるA。

『ジスに会ったらね、頑張ったご褒美にハグして、キスして貰うの。』

「ふ、ふふ。じゃあ、そのご褒美、僕にも頂戴。」

『良いよ〜。』

魅力的なご褒美の話をAとしながら、いつ会えるんだろうか、と考える。
この間のカナダ旅行のように、タイミングが合えば国外で一緒に過ごせるけれど、毎度毎度そんなタイミングは来ないし…。
二人きりで会えるところ、どこかないかなぁ。

『でね、ツゥイが…』

メンバーの話をするAの様子から彼女がTWICEで上手くやっていることが伺える。
お互いのメンバーの話をすることはよくある。
メンバーとはほぼ毎日顔を突き合わせているのだから、日々のあったことを話すのなら、当たり前と言えば当たり前に話題は出てくる。
僕達はお互いのメンバーに興味はないけどね。

「スニョンがさ、Aの印象に残りたいって、頑張っててね？」

だからそう歌謡祭でのうちのメンバーの話をすれば、

『え、スニョン？』

不思議そうなAの声。

『…印象残るも何も、ジスしか見てなかった。』

Aのその言葉に、またニヤニヤが止まらない。
Aがうちのメンバーに興味ないのは知ってたけど、ね。

「今日の僕はどうでしたか？」

『うん、とっても格好良かったです。』

「今日のAはいつも通り可愛くて綺麗だったよ。」

『ジスにそう言って貰えるのが一番嬉しい。』

僕の愛しい恋人は今日も変わらず、可愛い。





…

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