Stay close beside me.

49.どストライク ページ49

49.S.COUPS





はじめはメンバーが煩く彼女の話をするから、だった。
メンバーが煩く話すTWICEのAってどんな子なんだろって少しの興味を持って動画を見た。
彼女を見て、俺は衝撃を受けた。
Aは、俺の好みどストライクだったんだ。

Aの容姿は綺麗なのにその仕草は可愛らしい。
その華奢な身体を抱きしめたい。
Aの声は耳馴染みが良く、透き通るようで…彼女に自分の名前を呼んで欲しい。
"彼女"が居た時でさえ、そんなことを思ったことなんて無かったのに。
Aを見れば見るほど、思いは募っていく。

Aの可愛いさは化粧で作られたものじゃなく、多分、すっぴんでも彼女は十分に可愛い。
結構この業界、化粧で作られた美しい人が大渋滞してるからな。
素で美しい、可愛い人にはなかなかお目にかかれない。
大きな声で言えないけれど…。

とにかく、実際のAは同じ人間なのかと疑うレベルで美しい人だった。
歌謡祭で共演できて、感無量。
この会場の同じ空気を吸っているだけで幸せだ。
同じ舞台で同じ出演者としてこの会場に居るなんて、SEVENTEENのメンバーだったことを心から誇りたい。

あぁ、こんなに好みどストライクの女性が居るなんて！
しかも、同業者だなんて！
俺はなんてラッキーなんだ。
そう思ったけれど、彼女の視界に入ることや彼女に声をかけることなどできない雰囲気に少しだけ悲しくなった。

いやいや、まだまだだ。

スニョンの言うように、素晴らしいパフォーマンスを見せれば、その視界に入れる、もしくは印象に残るかもしれないじゃないか。

チラチラとTWICEの席を見れば、あちらのマンネに抱きついているA。
Aはその出身からスキンシップが激しいと聞く。
俺にいつでも抱きついてくれてかまわない！

親友ナヨン氏とこっそりと何かを話し、顔を見合わせて笑っているA。
その内緒話の仲間に入りたい！
Aの笑顔を向けられたい！

内心でいちファンのように荒ぶっていた俺は、

「ヒョン、緊張してるの？大丈夫？」

と言うソクミンの声で我に返った。
まだ誰にも自分の彼女に対する思いは告げていない。
今、バレるわけにはいかない。

「ん、少し、な。大丈夫だ。」

そう彼に答えて、気合を入れ直す。
とりあえず晴らしいパフォーマンスを見せなくちゃな。





…

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