Stay close beside me.

31.交換 ページ31

31.Joshua








"どう？可愛い？"

そんなメッセージと共に送られてきた写真。
スナップとは思えないほど、綺麗にAが写っている。
流石、ブランドのカメラマンは腕が良い。
少し、スカートが短い気がするけれど。

"うん、とても似合ってる。他の写真はないの？"

そうメッセージを返す。
アユクデでAに会えなかったけれど、そのほうが良かったかもしれない。
アユクデではやっぱりAが注目されていたから。
同業者が男女共に彼女の不在にがっかりしていて…。
もし、彼女が居たら、僕は彼女の人気に嫉妬してしまったかもしれない。

"待ち受けにしても良いよ"

そのメッセージと共に送られてきた写真は、アップの彼女の自撮り。
気持ち的には待ち受けにしたいけど、誰かに見られたら大変だから、なぁ。

"永久保存しとく"

そうメッセージを返す。

"ジスの写真欲しい"

そんな可愛いこと言われちゃったら送らない理由はない。
自撮りの中でも一番写りが良いやつを彼女に送った。

今は僕の予想していた未来とは違う。
Aも韓国でアイドルになった。
でも、気持ちが通じ合い、恋人になれたから、まぁいっかとは思う。

Aのグループの公式ファンクラブのONCEに入ろうかな。と言ったら、Aに止められた。

「我が儘だけど、私以外を応援して欲しくない。ジスがONCEになったらうちのメンバーも応援するでしょう？」

そう言って不安げに目を伏せたA。
僕の彼女、最高に可愛い。

「じゃあ、AもCARATにならないで。僕以外を応援してほしくない。」

そう僕が言えば、Aは首を傾げて、

「当たり前じゃん。ジス以外を応援しないよ？」

と答えた。
それはスティーブさんが用意してくれたホテルでの短いやり取りだった。

それから僕達は自分達のCDとかのグッズはすべて交換している。
僕はA以外要らないし、Aも僕以外要らないらしい。
彼女はスティーブさんの名前でグッズを送ってくれるし、僕はホン・ジスの名前で彼女にグッズを送る。
活動名"ジョシュア"にしておいてよかった。

「なに、ニヤニヤしてんの？」

ハニにそう言われて、自分の顔を触る。

「ほら、Aに会えなかった奴らが沈んでるよ。」

リビングを見渡せば、ズーンと沈んでいる弟達。
あれ、全然気づかなかったや。







…

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