Stay close beside me.

27.重ならない ページ27

27.JEONGHAN








幼馴染で想い人である彼女と電話してから、ずっと沈んでいたシュアが浮上した。
だからきっと上手く行ったんだろう。
彼の想い人がTWICEのAだと知った時はめちゃくちゃ驚いた。
二人して韓国に来て、アイドルデビューしてるんだもんな。
なんて頑張りやさんたちなんだ。

シュアの幼馴染…今はもう恋人かな。
二人の関係を知るのは、俺とAの親友のTWICEのナヨンだけらしい。
まぁ、知ってる人が増えるのは良くないかもしれないし、うちのメンバーでもTWICEのAファンはいるからなぁ。
言えないよねって話だけど。

なんにせよ、シュアが幸せそうで良かったよ。

「あ。Aちゃん、アンバサダーになってる」

「ホントだ！」

「え、ロスでずっとモデルしてたの？」

なんてメンバーが騒ぎ出す。
ちらりとシュアを見れば、気にしてなさそう。
この間一人だけ、どこかへ行ってから妙に余裕あるよね。
どこへ行って何をしていたのかは聞いてないけれど、何かをジフンに渡していたから、私的な用事じゃなかったのかな。

「ねぇ、マネヒョン、TWICEといつ共演できるかなぁ？」

「今年の歌謡祭で一緒になるんじゃないか？」

マネヒョンがそう答える。

「そっか、歌謡祭」

「だいぶ先じゃない？」

事務所が避けているのか、TWICEと俺達のカムバは重ならない。
だから音楽番組で一緒になることはほぼ無いっていうね。
新人同士を真正面からぶつけるより少しずらすって、大手事務所がよくやることなんだけど。
正直に言うと、TWICEもかなり人気出てきてるから、ずれてくれてありがたいって言えば、ありがたい。

「カムバ、TWICEとなかなか重ならないもんなぁ。」

ふと誰かが呟いた言葉に

「あ、ソレ。わざとだよ。」

ジフナが答えた。

「「「え？」」」

「TWICEに曲提供してる音楽プロデューサーとうちの編曲してる人が同じだから。そのうちTWICEは違う人になるだろうけど…」

ジフナはそう言って、欠伸をした。
なるほど？そんな大人の事情があったんだな。

「アユクデは？」

また誰かが口にする。
そんなに会いたいんだなぁ。
同じ業界だし、一般人と違って会える確率はかなり高いけどさ。

「あ〜？どうだろうなぁ。あっちは大手だから席はあるだろうし…」

マネヒョンはそう言って、苦笑いした。
まぁ、シュアの彼女を間近で見てみたい気はするけど…。




…

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