足りないのは ページ40
▼NU'EST REN(ミンギ)
隠れ家的個室カフェに僕は来ている。
本当なら、ゆっくり酒を飲みながら会食したいけど、お互い夜は時間がとれないから、Aとの約束は、殆ど昼のカフェになる。
「あと僕に足らないのは何？」
そうAに聞かれて考える。
語学は、通訳がいらないほど堪能だし、ダンスや歌は、まぁデビューできているぐらいだ。
訓練は不定期で今でもしているようだし、パルクールで鍛えた体は、彼の思い通りに動くだろう。
「強いて言うなら、"人脈"かな。」
僕の答えに、Aは、目を見開いて驚いていた。
「そう言えばさ。こんな噂、知ってる？」
本来の目的、彼に注意を促す。
ミニョンが仕入れてきた情報。
『あるテレビ局は警備がザル。
そこであるアイドルが出演する時、一緒に出演するアイドルが体調不良になるらしい。
そのテレビ局は、いつも自由飲める飲料水がある。』
これだけ話せば、聡いこの子のこと。
すべて理解するだろう？
「ふーん、そう言うことね。」
机に頬杖をついて呟くA。
絵になるな…じゃなくて。
「そーいうことを教えてくれる人が必要ってことでしょう？」
察しが良いこの子を僕達も心配している。
力になるのは当たり前だけど。
「当たり」
「わかったよ。流石、ミンギだね。お礼は何がいい？」
柔らかいAの口調に、本当ならお礼なんていらないけど…。
「Aがしてるそのピアス。」
思わず、我儘が口をつく。
Aの耳に光る黄金のバラのピアスを指名すれば、
「ふふ、コレは"ジョシュア"とお揃いだから、ダーメ。」
ニコリと笑ったAに断られた。
狡いな。ジョシュアって、Aの幼馴染みとか言う子だっけ？
「じゃあ、僕とお揃いのピアス。」
「わかった。今度送るね。」
まぁ、お揃い、くれるならいいか。
「いつもありがとう。ミンギ。」
「いいえ〜。今度ゆっくり、ディナー付き合ってね。」
「うん。あ、そろそろ時間だ。ミニョンにも宜しく言っといて。」
そう言って、彼は店を出ていった。
情報元、バレてるし。
彼の友人になれたから、こうやって、時間は作ってくれるけど。
正直、同じグループのメンバーになりたかったな。
事務所は同じなんだし、もしかしたら、僕達のメンバーに入っていたかもしれない…なんてね。
そうなっていないのが、現実なんだけど。
「まぁ、いっか。」
そう呟いて、僕も店を後にした。
…
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ちな(プロフ) - あさん» 誤字指摘ありがとうございます。お恥ずかしい限りです。訂正しました。 (2022年3月12日 21時) (
レス) id: 0b8c1c72f4 (このIDを非表示/違反報告)
あ - ジュノって誰ですか笑笑 (2022年3月12日 20時) (レス) @page9 id: bc036b23c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちな
| 作成日時：2022年3月10日 15時
