ダンスレッスン1 (TXT) ページ7
スビンside
5人でのデビューが決まって、デビュー曲の振付けを覚える事になった。
デビュー曲はすでにレコーディングを終わらせてある。
ダンスレッスン室にメンバーが、緊張した面持ちで集合した。
例にもれず、僕も、緊張していた。
みんなで準備運動をしながら、振付師を待っていた。
「よし、そろってるね。」
練習室の扉を開けて顔を出した振り付けの先生がそう言って、ニコリと笑い、時計を確認して、
「助手つれてくるから、ちょっと待ってて。」
そう言って、部屋を出ていった。
ふと、ヨンジュニヒョンを見たら、顔を顰めていた。
「ヒョン、どうしたの？」
僕がそう言うと、ヒョンは顔を顰めたまま、
「あの人、鬼振付師って有名な人だ。」
と呟いた。
それを聞いたメンバーも僕も顔がひきつった。
「おまたせ〜。」
振付師の先生はニコニコ笑いながら、一人の男の子？を連れて練習室に入ってきた。
先生は、まず、僕達にタブレットを渡し、振り付けを見ろと言う。
僕達は真剣にそれを見た。
「じゃあ、一人ずつ、この子が踊るから、覚えてね。」
先生はそう言うと、僕らを端に座らせて、連れてきた子を練習室の中央に立たせた。
彼？はキャップを目深に被り、ダボダボのパーカーにスキニージーンズを履いている。
ただ、ダンスをする格好には見えなかった。
「はい、一人目、ヨンジュン」
パンパンとリズミカルに手を叩きながら、先生は指示を出す。
先生に指示された彼？は、的確にダンスを披露していく。
「次、3人目、テヒョン」
人によって、立ち位置が違うソレを彼は的確に踊っていく。
「はい、最後、ヒュニンカイ」
先生の指示通りに踊りきった少し息が弾んでいる彼を呆然と見ていた。
ただ、ただ、凄い。
「で、じゃあ、君たちも踊ってみよう。」
そんな先生の言葉。
え、そんなにすぐ？
「位置について」
有無を言わせない先生に僕達は慌てて立ち位置についた。
ヒョンはもう覚えていた。
流石。
僕はまだ覚えきれていない。
「ん〜、ヨンジュン以外の子はタブレットで確認っ。」
眉を寄せて、不機嫌そうな先生はそう言った。
「はいっ」
僕達は、言われた通りにタブレットを持ち、隅へ移動する。
「ダン、そんなすぐ覚えられないよ。」
「でも…」
「彼らはまだデビューしてないでしょ？」
「まぁね。」
助手として踊ってくれた彼は先生を諌めていた。
あれ？声が高い気がする。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2021年11月24日 22時
