ドッキリ 2 ページ5
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「やっぱり無理だと思うよ」
「A、あぁ見えて普通じゃないし」
「仕掛け人ならともかく、ねぇ?」
Luv honeyのメンバーが口々に言う。
テレビ局の新人スタッフは、それでも…と譲らない。
「お蔵入りしていいなら…」
マネージャーのそんな言葉に新人スタッフは首を縦に振った。
仕掛人 ソンミside
私の可愛い妹。
Aにドッキリ仕掛けるんだって。
酷いことしないという約束の元、協力を頼まれた。
「え、それは困るわ」
スタジオで私はそう決められたセリフを吐く。
ダンサーの一人が病欠になり、代わりをAに頼むと言うもの。
偽音楽番組の収録に見学に来ていたAって言う形なんだけど…大丈夫かしら?
スタッフは打ち合わせ通り、Aを見つけて声をかけている。
「ソンミ姐さんが困ってるなら、やります。」
そう言うとAは、タブレットを持って練習室に行ってしまった。
「大丈夫かしら?」
練習時間は1時間。
出来なくても、非難はされないとは思うけど、現役アイドルとしての、Aの商品価値を下げてしまうんじゃないかしら?
「…そうよね。やっぱり、私の妹だもの。」
思わず、そう呟いてしまった。
結果と言えば、彼女のダンスは完璧だった。
今までのダンサーよりも踊りやすかった。
一体、パク・ジニョンは、どれだけあの子に無茶振りしてきたのかしら?
「お役に立ててよかった。」
と、笑うA。
このドッキリを仕掛けたスタッフだけは、青い顔をしている。
「A、今日はありがとう。お礼に食事に行きましょう?奢るわ。」
私がそう言うと、Aは嬉しそうに笑う。
「ソンミ姐さんと食事、久しぶりですね。うふふ、嬉しい。」
そう言うAを思わず、抱きしめた。
この子にドッキリはできないんじゃないかしら?
だって、パク・ジニョンの秘蔵っ子だし?
Aだし?
そう、思いつつ、彼女を伴って、スタジオを後にする。
「あ、今日の歌の録画頂戴ね。」
マネージャーを通して、スタッフに言っておいてもらう。
多分、今日の収録はお蔵入りだから。
いつか、この動画をどこかで紹介しよう。
…
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作者名:ちな | 作成日時:2021年11月24日 22時