売名行為3 ページ29
☆
松本潤side
「今日のゲストは今、坂井Aちゃんの親友として話題になってる板倉茜さんです。」
笑顔の翔がそう言って、ゲストー板倉茜が入ってくる。
今、Aちゃんの親友として、話題のタレントだ。
RIOに言わせると、"知らない人"らしいけど。
事務所内では、"売名行為じゃないか。"
とか、"Aちゃんを勝手に利用してる女"だとか、言われてる。
まぁ、RIOが"Aの友人じゃない"と否定してるから、誰もがこの女がAちゃんの親友を語る偽物だって知ってるわけだけど…。
「はじめまして。板倉茜です。宜しくお願いします。」
ニコリと普通の笑顔を浮かべる板倉に翔は意味ありげに笑った。
"何企んでるんだ？"
雅紀に視線を向けると、彼は苦笑いして、
"RIO"
と呟く。
あぁ、そういう事ね。
この番組は録りじゃなくて、生だからさ。
全く、RIOもお願いが多いよね〜。
まぁ、俺たちもRIOには甘いけどさぁ。
それにしても、板倉だっけ？
この子も厚顔無恥って言うかさ、
怖いもの知らず、って言うかさ。
人選絶対失敗したよね。
他の人なら問題にもならないことだと思うけど、Aの親友ポジション、って、RIOの逆鱗に触れまくってるよね。
冗談でした〜じゃ済まないのにね。
板倉は、Aちゃんとのエピソードを自信満々に語る。
よくそんな顔で嘘つけるよね？
タレントだけど、彼女は女優志望なのかなぁ。
今の彼女見る限り、女優になれるよ。
彼女、翔のファンなのかな？
ずっと翔ばかり見てるし。
俺達は視線を交わして、苦笑いする。
「では、ここで、さらなるゲスト、RIO〜！」
和也がそう言って、RIOを登場させた。
ニコニコ笑顔のRIOを見て、板倉の顔色が少しだけ悪くなった。
「板倉さん、"はじめまして"Aの兄のRIOです。」
RIO、笑顔で言うねぇ。
「あ、''はじめまして"。板倉茜です。」
あ〜あ、板倉、言っちゃった。
"はじめまして"なんて、Aちゃんの親友なら、そんなわけないのにねぇ。
「Aとは、学生時代の親友ってことだけど、いつですか？」
RIOの質問に板倉は驚いていた。
聞かれると思わなかったのかね？
「え、」
「小学校とか、中学校とか、高校とか…」
「あ、高校です。」
はい、ダウト！
RIOの笑顔が、深くなった。
あぁ、コワイ、コワイ。
板倉って、Aちゃんのこと、なんにも知らない感じ？
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2021年11月24日 22時
