売名行為 ページ27
☆
"Aとは、学生時代の同級生で、
親友です!"
"Aは可愛かったです。"
"今も、仲良しです!"
昨年、殆どを韓国で過ごし、帰国したら、僕の知らない人が妹の親友になっていた。
「RIOは知ってる?"板倉茜"」
滝沢くんがため息をついて、テレビ画面を見つめながら、声をかけてきた。
「Aの友人、親友は知ってるけど、その人は知らない。学生時代って、いつの話?」
僕が、テレビ画面に映る女のコを睨みながら言うと、滝沢くんは、眉を寄せて、
「売名行為かな。彼女が日本にいないのを良いことに、やりたい放題だな。」
と呟いた。
僕達が幼少期過ごした場所は公表されてないし、Aは、高校は、あっちだったのに…ね。
「この子、ありもしないエピソードを語るなんて、すごい根性してるな。」
テレビで語られるエピソードは、全部が嘘で、それをさも当たり前のように語る"板倉茜"に彼女のメンタルの強さに感心してしまう。
そんなこんなをしていたら、僕のスマホが鳴り出した。
誰からか、確認して、目をみはる。
"RIO、板倉茜、どうにかして。"
彼女、本物の、Aの幼なじみで親友の亜梨沙は開口一番、そう言った。
「どうにかって言われても…。」
困ったようにそう言えば、
"ふーん、《皆》激怒してるけど、こっちでどうにかすればいい?"
亜梨沙の怒っているのに冷静な口調に、冷や汗が出た。
「あ、いや、」
僕は《皆》って言葉にAのお友達を思い浮かべる。
"何してたの?RIOなら、あんなん、すぐ潰せるでしょう?"
「あの、韓国で仕事してて…」
言い訳を呟く僕に
"Aを勝手に語るなんて、本当の友達の私達が黙ってないのに…。RIO、さっさとケリつけてね。私も《皆》抑えるの大変なんだから。"
亜梨沙は、そう言うと電話を切った。
ふぅと息をつく。
「RIO、で、どうするの?」
滝沢くんの質問に
「Aの親友達がお怒りだから、早急にケリつけるよ。大丈夫、滝沢くんには、迷惑かけないから。」
そう答えながら、電話帳を開く。
売名行為だとしても、やってはいけないことをしちゃった板倉茜とその事務所は、もう、ダメだね。
なんで今まで、Aのプライベートが出なかったと思ってたんだか。
情報ってすぐもれるんだよ。
それがもれないってことはさ…
…
648人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちな | 作成日時:2021年11月24日 22時