秘密主義 ページ21
☆
「あれ?」
「順番変わった?」
「え、嵐さん?なんで…」
メンバー達が私を見る。
「きっと、多分、RIOの仕業だけど…」
私は呟いて、ため息をつく。
マネオンニが青い顔をして、私を見る。
その手にはスマホが握られていた。
「ねぇ、A。RIOくんって一体何者?」
そう聞いてくるマネオンニ。
「あぁ、うん、日本ではアイドルかな?」
いたたまれない空気の中、音楽番組の収録は終わった。
「今日はありがとうございました」
"何があったんだ?"
"Aちゃん関連?"
「そうですね。ちょっと侮辱されちゃって…。」
"で?一つ事務所潰したの?君、何やってんの?"
「あは、我慢できませんでした。」
"全く。そんなことしてないで、早く帰っておいでよ。"
"RIO、釣り行くぞ。"
「そのうち帰ります。釣り、楽しみにしてます。」
「RIO〜、今日何したの〜?」
そう言いながら、部屋に入れば、
「ちょ、ストップ。来るな!」
RIOはテレビ電話していたようで、ストップがかかった。
"なになに〜?"
"女の子の声した〜。"
"RIO、彼女連れ込んでんの?"
"だれ?僕達の知ってる人?"
"RIO〜。"
聞こえてきた声は5人。
RIOを見れば、マズイと顔に書いてある。
"あっち、行ってて!"
口パクで告げるRIOに首を傾げ、
「あ、やっぱり。はじめまして。RIOの妹のAです。」
RIOを避けて、スマホを覗き込めば、嵐さん達が、画面にうつっていた。
"はっ、はじめまして"
"RIOの先輩の嵐です。"
"...リラックマ可愛い。"
"本物だ"
"あ〜、えっと"
「じゃ、また!」
RIOは、急いでスマホを取り、電話を切った。
そんなRIOに私も、多分、あちらも呆然としただろう。
「RIO、挨拶くらいいいじゃん。」
ため息をつき、そう言うと、RIOは、苦笑いしながら、
「駄目。」
と言う。
まぁ、RIOの事情もあるだろうから、ソレは仕方ないか。
「で?今日、なんで嵐が出たの?」
「あぁ、先輩たちが出たいって言うから。」
ニコリと笑って言うRIO。
これは、"聞くな" ってことだろうな。
まったく、お兄ちゃんは相変わらず秘密主義だなぁ。
「心配だから、あんまり、無茶しないでよ。」
私が、そう言うと、RIOは、嬉しそうに笑った。
結局、なんにもわからなかった。
RIOだし、仕方ないか。
…
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作者名:ちな | 作成日時:2021年11月24日 22時