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女の涙(セブチ) ページ2


ウォヌside



たまたま通りかかった倉庫。
そこには…


「グスッ」

なんでこんなとこで?とか思ったりする。
目の前には、憧れていたAさん。
周りには、誰も居ない。

え、話しかけるチャンスだけど、彼女、泣いてるよね?

俺はいつも、(画面越しの)輝かしい笑顔と、(番組内ですれ違う時の)にっこり笑顔と、彼女の笑顔しか見たことないのに。

ヒョン達なら、気の利いた声掛けが出来ただろうに、俺は、言葉が出てこない。
只、美しい涙を拭う目の前の、Aさんを見つめることしかできない。

どうしよう。

自分のハンカチも、ティッシュも、持ってない。

たまたま、汗を拭いたタオルはあるけど…。

「あの、コレ」

結局、俺はタオルを彼女に差し出した。

「え、あ」

俺とタオルを交互に見て、戸惑うAさんに無理やりタオルを押し付けて、俺は足早にそこを去ることしか出来なかった。

なんて、不甲斐ない。













Aside

今日は花粉が酷くて、アレルギー症状が出た。
私のアレルギー反応は、そんなに強くないけど、涙が止まらなくなる。
スタジオに居たら皆が心配してしまうから、マネオンニが薬を調達してくる間、倉庫?でやり過ごしていた。

「グスッ」

やっべぇ、鼻水まででてきたんだけど…。なんて思っていたら、

「あの、コレ」

と、男の子?がタオルを差し出してきた。

「え、あ」

鼻水垂れてないかと、戸惑っているうちに彼はタオルを押し付けて、足早に去ってしまった。

「ぶえっくしょっ」

彼が去ってから、酷いくしゃみが出て、咄嗟に彼のタオルを使ってしまう。

「あ、やべっ」

私のくしゃみを受け止めたタオルを見て呟く。
彼は確か、SEVENTEENの…

「ウォヌ」

名前がちゃんとタオルに書いてあった。
結構、でかめに。
え、こんな大きく名前って、書くものなの?
タオル面積の半分名前なんだけど…。

「洗って返さなきゃなぁ」

私は小さく呟いた。






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作者名:ちな | 作成日時:2021年11月24日 22時

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