ルーティン ページ25
☆
アリンside
ペットボトルの水を飲みながら、
「あ〜、あ〜、あ〜。」
声を出すA独特の、レコーディング前のルーティン。
スタッフも私達も慣れているけど、不思議な動作だよね。
「はい、ジャンプ。」
「あ〜、あ〜、あ〜。」
RIOさんが、そんなAに声をかけ、言われるまま彼女は声を出しながらジャンプした。
アレ、もしかして、RIOさんの指導だったのかな。
「良しっ、声出てるね。」
「いつもしてるからね。」
二人はやっぱり兄妹で。
私達がわからないことでも、なんか通じ合ってた。
「ウィズ、行ける?」
「おう、まず、Aちゃんからね」
「は〜い」
そう言えば、RIOさんは、ウィズさんと仲が良いらしくて、今回はウィズさんも制作メンバーに入っていた。
レコーディングブースに行くAと、機材の前に行くウィズさん。
「アリンちゃん達はアレ、やらないの?」
RIOさんは二人を見送ると私達に聞いた。
「アレって…」
「Aがやってた発声練習」
「「「あれ、発声練習だったの?」」」
驚いて声が揃ってしまった。
RIOさんはそんな私達に苦笑いしながら
「あ〜。A何も言わずにやってた?」
と、聞いてきたので、皆(スタッフも)で頷いた。
「そうなんだ。アレ、僕が教えた発声練習なんだけど…そっか。」
ウンウン頷いてRIOさんは笑う。
「まぁ、アレはAの為のものだからいっか。」
RIOさんはそう言うと、ブースに視線を向けた。
その顔は、とても優しくて、AはRIOさんに大事にされてるんだな。と思った。
…
801人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちな | 作成日時:2021年9月2日 22時