酔っぱらい ページ6
ー
強引な彼に捕まった。
可愛いユナの誘いをやっとで断ったのになぁ。
「強引で申し訳ない。俺はミン・ユンギって言います。Mewさんですよね？」
あるレストランの個室に連れてこられての第一声は謝罪と自己紹介でした。
「あ、はい。Mewこと、イム・Aです。」
そう返すと、ミンさんは、目を大きく見開いて、
「日本人じゃない？」
と、聞いてきた。
「あ、ハーフです。一応。」
「そうなんだ。」
「はい、」
話していると、料理が来て、ドリンクが来て…食事も中盤、お酒がだいぶ入ったミンさんは、
「俺、何度かMewさんにコラボ依頼出してるんだ。全部断られたけど。」
と言い出した。少し据わった目でこちらを見る彼に首を傾げる。
「え、ミン・ユンギでの依頼は見てないです。事務所が、握ったのかな？」
握った＝握りつぶした
そう、私が言うと、彼は、
「あ、ミン・ユンギじゃなくて、BTSのシュガで。」
と、"あぁ、そうなんだ。貴方は彼の大事な人"
気づかないって怖いなぁなんて思いながら、
「そうですか。多分、事務所でしょうね。時期的にまだ駆け出しでしたし、男性ミュージシャンとのコラボは嫌厭してたでしょう。」
そう、事実を伝えれば、
「じゃあ、今なら、できますかね？」
なんて、目をキラキラさせて聞いてくる。
「どうでしょう？」
そう答えた。
できれば、やりたくない、なんて言えないしね。
結局、ミンさんは、飲みすぎてフラフラになってしまった。
おいて帰るのもまずいので、彼に断り、彼のスマホから、メンバーに連絡することに。
カトクを開き、BTSのグループに、
"ミン・ユンギを預かった。
返して欲しくば、〇〇に来い"
と冗談で送った。
凄い勢いで既読がついていく。
「あははは」
笑っていると、ミンさんに叩かれた。
スマホをミンさんに返すと目を見開いて、
"脅迫じゃないから、警察電話すんなよ。俺は誘拐されてない。"
急いでカトクしている。
「電話すればいいと思います。」
笑いながら言うと、電話しだすミンさん。
「いや、そうじゃない。あぁ、もう、」
なんて、"大事"にされてるなぁ。
「ちょ、冗談にならないからな、Mew、やめてくれ。」
電話を終えて言うミンさん。
さて、酔いも醒めたでしょう？
「じゃあ、先に帰ります。ミンさんは、ちゃんと、メンバーさんを待っててくださいね？」
私は彼にそう告げてお店をあとにした。
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作者名：ちな
| 作成日時：2021年8月12日 9時
