彼女の処遇 ページ36
FULL MOONマネside
待つこと数分、ふてくされた様子の"彼女"が扉を開け、会議室に入ってきた。
「ノックもしないのか。」
そう呟くENHYPENのマネージャーに、皆同意するようにため息をついた。
「先輩、私も忙しいんですけど、何のようですか？」
BTSのマネージャーへ問いかける彼女の態度は後輩がするものではない。
「それは、その…」
BTSのマネージャーは、ちらりとこちらに視線を寄越し、言い淀む。
"彼女"は、俺を見ると目を見開き驚いた。
俺がFULL MOONのマネージャーだと、知っているからか…。
「あのっ、私はキム・スアと申します。今、BTSのマネージャーを…」
彼女、スアは、先程先輩に話しかけたよりも高い声で勝手に話し出す。
俺は片手を上げて、スアの言葉を止めた。
「そんなことはどうでも良いです。今日は貴女に身の振り方を選んでもらうために呼びました。」
そう言う。
スアの顔がまた期待に膨らんでいる。
俺は2本指を立てて、スアに見せながら、
「貴女には2つの選択肢があります。」
そう、告げると彼女は大きく頷いた。
「一つは、この業界から出ていく。今の貴女は能力不足です。マネージャー業は向き、不向きがある。貴女は不向きです。」
指を一つ折り曲げて告げれば、スアは絶望した顔をする。
周りにいるマネージャー達は息を飲んだ。
「もう一つは、違う事務所で経験値を積み、立派なマネージャーになる。その事務所は、こちらから斡旋します。」
そう告げると、スアは、鼻息荒く、
「私、違う事務所で経験値を積みます！」
そう言った。
単純で助かるよ。
「じゃあ、こちらにサインしてもらえる？うちの退職書類と、あちらの雇用契約書類。」
そう言って、書類を差し出すと、スアはよく読みもせず、サインをしていた。
ホント、契約書の大切さを知らない子は危なっかしいな。
そう思いつつ、契約書を回収し、パンフレットをスアに差し出した。
「ここが、新しい事務所。明日付であちらに就職になるからね。今日付でうちの事務所は退職になるから、社員証とかは事務室に返却してください。私物も持って帰ってね。明日からは、うちの社員じゃないから、この会社には入れません。」
パンフレットを握りしめるスアに告げる。
「はい。」
ニコニコと笑いながら、言う彼女。
「キムさん、頑張ってね。」
そう、俺が言うと、スアは、元気よく返事をし、片付けのために会議室を出て行った。
…
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ちな(プロフ) - akb48yuuko1さん» いえいえ。コメント嬉しいです。不思議の国も読んでくださっているのですね。ありがとうございます！たくさん更新できるように頑張りま〜す！ (2022年9月28日 12時) (
レス) id: 0b8c1c72f4 (このIDを非表示/違反報告)
akb48yuuko1(プロフ) - せかしてしまうようなコメントすみません（ ; ; ）ジョシュア君シリーズ毎日更新楽しみに読ませてもらってます💓これからも頑張ってください！！ (2022年9月28日 2時) (レス) id: 308e687bed (このIDを非表示/違反報告)
ちな(プロフ) - akb48yuuko1さん» コメントありがとうございます。こちら、暫く更新停止してしまい、すみません。また、ぼちぼち、頑張りますので、ゆっくりお待ち下さい。 (2022年9月27日 15時) (レス) id: 0b8c1c72f4 (このIDを非表示/違反報告)
akb48yuuko1(プロフ) - 更新楽しみにしてます！！ (2022年9月26日 1時) (レス) id: 308e687bed (このIDを非表示/違反報告)
ちな(プロフ) - 18r8sychachanec茶々さん» 感想ありがとうございます。面白いと言っていただけて、嬉しいです。頑張ります！ (2022年1月2日 0時) (レス) id: 0b8c1c72f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちな
| 作成日時：2021年8月1日 23時
