FULL MOON 4

撤収 ページ21

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「みんな、お疲れ様でした。撤収！」

シウの言葉にスタッフは、ガヤガヤとしながらも素早く撤収作業を始めた。

「アーティスト先発、着替えて集合！」

ジュノの楽しげな声に、ぞろぞろと皆が集まる。
マネさんは、サブマネさんに指示を出し、こちらに来る。

「車の手配は？」

ソジュンの質問に、

「各マネが手配済み。皆、移動はマネージャーについて行って。」

うちのマネさんの言葉に各マネージャーさんが、皆を移動させた。

「A、はい。」

そう言って、移動するための杖を私に渡すジュノ。
杖をついて、立ち上がったら、険しい顔のジミン先輩とテヒョナ先輩と目があった。

「やっぱりっ」

「ジ、ジミナ。とりあえず、移動しよ」

ジミン先輩が、こちらに来ようとしているのを抑えてるテヒョナ先輩に会釈して、私はジュノに移動車まで連れて行かれた。

「あれ、きっと煩いよ。」

車に乗り込むと、ため息混じりにジュノに言われる。

「TXTのいないとこで説明しないと、また責任かんじちゃうよね〜。」

ソジュンが呟く。

「誰が気づいてる？」

シウの言葉に、

「多分先輩達は皆、気づいたよ。」

ジュノは嫌そうな顔をした。
私はジミン先輩とテヒョナ先輩しか見てなかったけど、先輩達は皆、険しい顔をしていたみたい。

「はぁ、マネさん、先輩を別室案内。」

シウはため息を付きながら、言った。

「了解」

マネさんもため息をついていた。

ライブで私が、怪我をすることはよくある事だから、FULL MOONのメンバー、スタッフはなれているんだけどなぁ。

「バレるか、やっぱり」

私が呟くと

「バレないわけないよね？」

ソジュンが呟いた。

「マネさんとシウ、説明ね。Aと俺達は先に打ち上げ会場行くよ。」

ジュノの言葉にマネさんとシウが顔を顰めた。

「ちっ、面倒くさい」

シウが、小さく呟いた。

「う、ごめんなさい」

私が言うと、シウは私の頭を撫でて、

「今回は、Aは悪くないから、まぁ、後輩が、怪我するよりは良い。気にするな。」

と言った。

「まぁ、今回は仕方ないよ。」

マネさんも、ため息をついて呟く。

「今回は、ねぇ」

「今回は…」

皆が"今回は"をわざと連呼するので、

「…いつもは駄目みたいじゃん。」

と、呟くと、皆に、笑われた。



…

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