FULL MOON 4

二日目　後始末 ページ18

☆



「本当は折れた方が治りが早いんですけどね。」

ため息をついた医師が告げる。

「あぁ、まぁ、そうですよね。」

「筋組織って治るのに時間かかるし、なるべく使わない方向で…」

医師の言葉にマネさんと顔を見合わせる。

「とにかく、"使わないこと"です。」

医師はそう言うと、包帯を巻き終えた。




松葉杖を使いながら、ミーティングルームへマネさんと入ったら、技術さん達が頭を下げていた。

「申し訳ありません」

いくら優秀な技術さんだって、機械トラブルはよくあることだしね。

「起こってしまったことはしかたないです。明日のライブについて、打ち合せしましょう。」

私がそう言うと、

「ですがっ」

責任を感じている技術さんたちは納得できないようで…

「貴方達が協力してくれなければ、明日のライブができません。協力してくださいませんか？」

マネさんの、その言葉に技術さんたちは、頷いてくれた。

「医師からは極力使うなと指示されたので…」

「それなら…」

「こうすれば…」

技術さんの総力を上げての打ち合わせは、かなりの時間がかかった。

「明日はラストです。宜しくお願いします。」

「宜しくお願いします。」

スタッフさんに挨拶をして、マネさんと歩く。
私は松葉杖をついたままなので、変な感じだ。

「A、怪我のこと、BTSには…」

「ナイショでお願いします。迷惑はかけられない。TXTの様子はどうですか？」

「明日、皆来るって…」

「じゃあ、頑張らないと…」

明日のラスト頑張って、とりあえず、後輩達に心配いらないって、アピールしないとね。

車に乗り込んだら、マネさんは深いため息をついた。

「A、悪かったな。無理するなよ」

マネさんは小さく呟いた。











…

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