I was fooled by him.

諦めた 1 JM ページ26

☆JM


たまたま予約していたダンスレッスン室が使えなくて、PDのコネでJYPのレッスン室を数日使えるようになった。
Aに会えるかな？
なんて、密かに期待していて。

JYPの建物にみんなで入ったら、

「あ、パクくん。」

ちょっと焦った様子のイムさんに呼び止められた。

「イムさん？あれAは？」

「ちょっとAの様子がおかしくて…」

「え、」

「私達には多分言わないから、パクくん聞いてくれない？」

「あ、うん。」

「A、3階のダンスレッスン室1に居るから」

「わかった。」

慌てて、エレベーターに乗って、3階のダンスレッスン室1に行くと、
何かに囚われるように踊るAがいた。
鬼気迫るダンスと、吹き出る汗が長時間、ダンスをしているのを物語る。

"ダンスは苦手なの"

Aはそう言って、苦笑していたのに…。

扉を開けて中に入ると、

「A、今日はもう…」

ダンスの先生らしき人がAを止めていた。

「じゃあ、自主練…」

そう言うAは、ふらふらしている。

「A」

思わず、Aに声をかけると、

「あれ？ジミナ、なんでここに居るの？」

と不思議そうな顔。

「いいからっ。こっち！」

彼女の手を引いてダンスレッスン室を出た。

ここに来る前に見た休憩室に彼女を連れてきて、

「Aらしくない。どうしたの？」

とお茶を渡しながら、言ったら、僕の顔を見ていたAの大きな瞳から涙が出てきた。

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