君がいるから【吉野北人】

◎あの日の約束 ページ28

壱馬side



約束…か。

陸「…行っちゃった」

陣「陸、どゆことや？」

樹「なんかあったんすか？」

無口な樹でさえ、気になったのか
陸さんに何があったのか聞いている


約束…

もしかして、あのときの話に関係するんやろか





"忘れられない人がいる"






俺は、俺と陸さんと北人の三人でニューヨークに行った時に陸さんがしていた話を思い出した






ニューヨークでの夜

ホテルでなんとなく恋愛の話になった
いわゆる、恋バナ的な

北人「なんか壱馬とか高校時代女でめっちゃ遊んでそ〜」

壱馬「んなことねーわ笑
俺は好きになったら一途やぞ」

陸「あー言われてみればそんな感じするわ」

壱馬「さすが陸さんわかってますね」

北人「そーゆー陸さんはいないんですか？今彼女」

陸「んー、いないけど


忘れられない人がいる」

北人「忘れられない人？」

陸「そー、高校生のとき付き合ってた彼女なんだけどさ」

壱馬「その人が忘れられないんすか？未練？」

陸「未練っていうか、まだ好き？みたいな？」

北人「それ未練じゃないんすか？(笑)」

陸「嫌いになって別れたわけじゃねーんだよ(笑)」


なんかあったんだろうなって
その時は思った

北人「どーゆーことすか？」

陸「好きだったけど、俺は歌手になりたかったし
彼女の方も恋愛に積極的な方じゃなくて
何もできなくてさ、あのとき」

壱馬「えー？キスとかは？」

陸「無理やりしちゃった的な？」

北人「キスより先は？」

陸「…無理やり的な…(笑)」

北人「えー！！陸さんサイテー！！(笑)」

陸「うるさいなー！！(笑)」




その時はそれで話は終わったんやけど

Aさんに会った時から
なんか心が引っかかった


もしかしたら…って思ってたら

そのもしかしてで


陸さんの忘れられない人は

Aさんだった



今でもそうなのかなってAさんが他のメンバーと話してるときずっと思ってたけど

やっぱり、陸さんはまだAさんのことが好きみたいだ


でも、約束ってなんだろう

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