私の16人の執事

◎ルール11 ページ13

樹side


ルール11個目


夜の10時

執事の役目として、お嬢様が眠るまでそばにいる役目がある。
まぁ、わかりやすく言うと、"寝かしつけ係"？

それも役割であり、ルールになっている。

"お嬢様が眠りにつくときまで一緒にいる"



今日は俺の担当

カーテンを閉め、枕元の明かりだけ灯す。


『樹？』

樹「はい、A様」


『…手。』

フワッフワのベッドシーツの中からスッと出てきた小さくて白い細い手

樹「ふふっ、子どもみたいですね」

『…うるさい』


A様は、よっぽど疲れてないと眠れない人で
ある意味俺達執事が睡眠剤みたいなものだとお父様に言われた。

『昔もこうやってみんなで手を繋いで寝たわね』

樹「子どものとき、お父様がいないときは大広間で布団を敷いてみんなで寝ていましたね
懐かしい。」

『また、みんなであんなふうに寝てみたい』

樹「そうですね」

しばらくすると規則正しい寝息を立てるA様


ともに一緒に生活する中で
どんどん大人になっていくA様

でも、寝顔は昔のまんまだった。


そんな姿が愛おしくて、心の中にある感情を毎日出さないように必死だった。


サッと頭を撫でると「ン、」と声を漏らし、再びスースーと寝息を立てるA様


"好きです、お嬢様"

樹「おやすみなさい」



ベッドサイドの明かりを落とし、部屋をさった

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