３６：少年と過去 ページ40
.
「如月さん、カッコイイね！俺、びっくりしたよ！」
「は、はぁ…」
いや、こっちの方がびっくりした。後ろを向けば凄い人だかりが出来ていたのに驚かない方がおかしい。赤髪のキラキラ人は終始目を輝かせていて目の輝きが止まらない。
「姉ちゃん、すげぇ！どーやんの!?」
「えぇ、だれ君…」
「ゆうた！７歳！迷子になった父ちゃん探してんの！」
「君が迷子になったんじゃないの？」
そう聞くと「父ちゃんが迷子になったんだ！」と頬を膨らませて怒る。何も知らない純粋なその目は私にはもうないもので、何だかこれだけ無垢だと汚したくなる。
「(私はアイツみたいな汚い大人か。)」
「それより、さっきの教えてくれよ！な!?」
「早く、早く」と急かすので１回だけと言ってからお金を入れる。幼さにしてはセンスがあるのか意外と早くコツを掴んだ。ゲーム初心者の私から見ても申し分ないはずだ。
「私が教える隙も無いんじゃない？」
「父ちゃんが得意なんだぜ！このゲーム。」
「だから、よく見てるんだ。オレ。」と言ったゆうたの言葉に耳を傾けつつ昔を思い出した。アイツもこんなゲームが好きだったけ。私はつくづく嫌な所だけアイツに似ている。
「…あ！父ちゃん！」
「お父さんいたの？よかったじゃ……」
言葉が止まる。なんで、アイツがなんでこんな所に。心の奥底に閉まっていた黒い闇の渦みたいなものがぐるぐると頭の中を回る。体が拒絶反応を起こした。
「如月さん!?」
「はｯ…いやっ、こっち来な…」
「来ないで」と口を開く前に意識はどこかに飛んでいた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 227人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花(プロフ) - 煌 鐘塔さん» 大丈夫ですよ！自分も結構ありますから！てか、書き直そうとして間違えて、消して間違えての繰り返しの時多いですもん← すっごく分かります！！！自分も、そういう強くてかっこいい人になれたらなと思ってしまうくらい…本当に憧れ！！こちらこそこれからよろしくです (2018年6月10日 1時) (
レス) id: f2643ccfd4 (このIDを非表示/違反報告)
煌 鐘塔(プロフ) - 夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花さん» コメントありがとうございます！誤字をしてお恥ずかしいです。主人公のカメラに対する意識は自分で作って言うのもなんですが素晴らしいと思います。逃げない気持ちとか、カメラマンとしてのプライドとか尊敬できます。これからもよろしくお願いします。 (2018年6月6日 16時) (レス) id: 22a09e196d (このIDを非表示/違反報告)
夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花(プロフ) - 一言でいうと、凄くおもしろい作品です！心があったまるような、安心できる。そんな感じがしました！それに、主人公のカメラに対する想いは、アイナナでいう天ちゃんのようなプロ意識なのかなと思います。自分も、そう言ったものを忘れないようにしたいと思いました。 (2018年6月6日 5時) (レス) id: f2643ccfd4 (このIDを非表示/違反報告)
夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花(プロフ) - 「03:何者ですか」の始め、「人を見た目で破断」ではなく「判断」なのでは…… (2018年6月6日 4時) (レス) id: f2643ccfd4 (このIDを非表示/違反報告)
煌 鐘塔(プロフ) - ラディさん» ラディ様、コメントありがとうございます。私も好きになるならこんなツンデレで可愛い子がいいなと思います(^q^)ｸﾞﾍﾍﾍﾍ←ラディ様に気に入って頂けて幸いです！これからもツンデレ夢主をよろしくお願いします(^q^)ｸﾞﾍﾍﾍﾍ← (2018年4月5日 11時) (レス) id: 60309852eb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：煌 鐘塔 | 作成日時：2018年2月17日 23時
