【 銀魂 】 乙女ゲームの末路 .

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「……今、帰りか。」

「うお、」

「んだよ、んな驚くなっての」






人が突然死角から出てくるのが
当然の様で、

いつも驚きたくなくても驚いてしまう。







「土方くん、」

「あ？お前、今日熱でもあんのか？」

「えっ、なんで」


「………いつもトシって呼んでんだろ」







"急に改まりやがって"
と腑に落ちないとでも言うように顔を歪める彼。

そんな彼に笑い飛ばして、
ごめんごめんっと背中をバンバン叩くと余計に顔を歪めた。








「ていうか…久し振りだな、」

「ん？」

「こうやって、お前と帰んの」



「……そうだねー」







照れ臭そうに言う彼に、無理やり合わせる。

このゲーム内での昔の記憶のない
そんな私にはやはり不利がある。


そのせいで口調も安定しないし、
素の私でいっていいのかわからない。







「トシってさ、」

「んーー、」


「………ミツバさんの事、まだ好きなの？」

「………何言ってんだ」







"別に好きじゃねぇ"

と答える彼は切なげに瞳を揺らす。


この反応を見る限り、
この世界のミツバさんも居ないのかな。

なんて勝手に探りを入れる。







「(……ミツバさんが居ないとなると、
彼も一応、ヤンデレの候補ではあるのか)」






彼をもしかしたら傷付けたかもしれないけど

私も命がかかってて
後に引けないんだ。








「トシは、ほんと不器用だね」

「…っせーな、」




「"そのまま"でいてよ」









土方十四郎とは、普通の幼馴染みで居たい。

その思いを込めて、
彼にそう告げた。




いつの間にか着いてた家の前で
彼に手を振って家の中に入る

そんな私に彼が小さく、









「このままなわけ、ねーだろ…」









なんて声は

私の耳には届かなかった。









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