初めてのキス ページ7
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僕が頑張った報酬は最愛の人。
僕は毎日頑張って、なんとか、Aの隣を、パートナーの立場をGetした。
僕達は、今では学内でも、有名なカップルだ。
特になにかしたわけじゃないけどね。
周りにとって、Aが僕とつき合うことにしたのが、予想外だったみたい。
僕としては、当然の結末なんだけど。
校内を、彼女と手を繋いで歩けるし、彼女とランチを一緒に食べられるし、僕は毎日、幸せだ。
そして、僕は、健全な男である。
毎日、大好きな、愛してる女のコがそばに居たら、それは、それで、色々と思うこともしばしばで…。
最初は手を繋いだり、ハグしたり、それだけで、幸せだったのに…いや、今でも、幸せだけどね。
でも、もっと沢山、触れ合いたくなるんだよね。
不思議、だね。
放課後デートからの帰り道。
二人で手を繋いで、Aの家まで歩く道。
この時間が僕は好き。
「人間ってさ、欲張りだね。」
ふと呟けば、手を繋いで隣を歩いていたAが首を傾げた。
「欲張り？何が？」
そう呟く彼女の、繋いだ手にキスをした。
「僕ね、Aが、恋人になってくれるだけで、満足だって思ってた。毎日、一緒に居られるし、手を繋げるし、Aが僕の名を口にしてくれるだけで幸せなんだ。」
不思議そうに僕を見るA。
「でもね、毎日幸せなのに、もっともっとって、思っちゃう。」
「…例えば？」
「もっと僕の名前を呼んでほしいし、もっと僕だけを見ていてほしいし、もっとハグしたい。」
「…へ、へぇ。」
「ねぇ、ハグしてもいい？」
そう聞いたけど、彼女が返事する前に、彼女を抱きしめた。
彼女の体は暖かくて柔らかいし、良い匂いがする。
「ジス？」
そう呼ぶAに、
「もっと、Aの全部が欲しい。」
耳元で囁やけば、彼女の耳は朱に染まる。
「ジスは…欲張りさんだね。」
そう呟くA。
「うん、僕は欲張りなんだ。だから、Aを全部、頂戴。」
じっと、彼女の目を見つめて言えば、彼女は、目を見開いて驚いていた。
そのまま、僕は彼女にキスをした。
初めてのキス。
彼女の唇は思っていたより、柔らかくて、とても甘かった。
「今は、コレで我慢する」
拒否されなかったことに安堵しつつ、そう言えば、彼女は、笑い出す。
「ふふ…我慢なんだ。」
笑いながら呟いたA。
だって、Aに嫌われたくないもん。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2022年11月10日 16時
