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伊野尾「あ、やぶっちだ、こんちわー」
薮「お、きたきた、えっと……こちらが、噂のAちゃん?」
「う、うわさの……?あ、えっと、はい、1年のAです。お願いします、」
薮「俺は3年の薮です、伊野尾とはもともと知り合いでね、あ、とりあえず、こっち、適当に座っていいよ。」
目視じゃ瞳孔が確認できないくらいに
ふにゃふにゃっと目を細めて笑う薮さん。
…優しそう。
薮さんが言った「うわさの」が気になったけど
そのうわさの発信源であろう伊野尾は
持ち前のフランクさで、もうラボの他の先輩と打ち解けているし
私も初めて見る設備に興奮を隠しきれず
事情聴取は後日に延期。
薮「なんか、、、ラボに女の子がいるっていいね〜、やっぱ!」
「え?」
薮「いや、最近は建築学科も女の子が多くなってきてはいるんだけどさ、うちの代はどうも女子が少なくてさ〜」
伊野尾「やぶっちー、そろそろはじめよーだって」
薮「お前さぁ、そろそろやぶっちはやめろってー、、、」
伊野尾「いいから早く、行った行った」
2個も上の先輩のはずなのに
手で軽くシッシッ、とやった挙句
ったくもー、とこぼした伊野尾。
「待ってどういう関係?」
伊野尾「へ?あ、別に付き合ってないから大丈夫」
「はぁ?」
伊野尾「ほぇ、俺とやぶっちじゃなくて?」
「いやそうだけど、それ分かってるならなおおかしいでしょうよ。なんでそんな打ち解けてんのかってこと。」
伊野尾「あー、なんだ、Aがせっかく妬いてくれたと思ったのに。
やぶっちは俺が高校時代通ってた塾のチューター。高2の時からずっと担当だからさ、仲良いの。」
「なるほど、」
確かに私も塾のチューターには勉強の話だけじゃなくて、愚痴とか悩みとか色々聞いて貰って
お姉ちゃん、みたいな感じだったかも。
伊野尾「あ、始まった、」
左右に大きく揺れ始めた一戸建ての骨組み。
またもや伊野尾への事情聴取は後回しになってしまった。
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ゆーれん。(プロフ) - 名無し57041号さん» コメントありがとうございます。自分が現に大学生ということもあり、不規則な投稿で申し訳ありませんが、投稿頑張りますので、最後までお楽しみいただければ幸いです! (2019年11月20日 22時) (レス) id: 9b4c67fb3e (このIDを非表示/違反報告)
名無し57041号(プロフ) - 更新ありがとうございます!これからも楽しみにしてます! (2019年11月20日 22時) (レス) id: f173930882 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆーれん。 | 作成日時:2019年10月15日 21時