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私の取っていない一般教養の授業があるという伊野尾と別れて
いつも通り図書館に。




最近のルーティーンに追加された「トイレに行く」





「あれ。」





いつもの席には彼がいる。





そして今日も爆睡されているご様子。





ひとついつもと違うところがあるとすれば






彼の足下になにやらカードが落ちていた。





学生証…?





寝ている彼のだと思われる学生証を拾い上げて少しだけ、と名前や学籍番号の書いてある面を見る。





知念…侑李………スポーツ科学科…….....





生年月日を見ると私と同じ生まれ年。





同学年であることに、少しだけわく親近感。







「きれー………っ!………よかった起きてない…」






普通なら写りの悪い証明写真。

あまりにも綺麗な顔立ちについつい声が出る。






いつ起きるかわからないハラハラと、人の個人情報を見てしまった罪悪感が急に私を襲う。






「ここに置いときまぁす………」







寝ている彼の机の上に学生証をそっと置き、その場を後にした。








ちねん、ゆうり





自分の席に戻ってから、一度だけ反芻したその名前。






いつかお話しできたらいいなあ、なんて。






スポーツ科学と建築なんてキャンパスはかろうじて同じものの、学科が入ったビルは対角線上にあり最も離れてるし





何しろせっかく会える図書館では彼は眠り王子。







4年間図書館で勉強頑張ってれば、いつかは起きた姿を見れるかな、なんて









伊「やっほ」





ぽんぽん、と頭上に軽く乗せられた彼の手に一気に意識が集中したのが自分でもわかった。





今まで自分がペンも持たずに上の空でいたところが見られたんじゃないかと思うと、少し恥ずかしくなり、過剰に反応してしまって。







「わ、びっくりした…どしたの」






伊「いやどしたのって、Aに会いたかったからさ、来ちゃったよねぇ」






こんな一言でドギマギしてる自分って



ちょっとちょろいかも。





そう自覚し始めた今日この頃。

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ゆーれん。(プロフ) - 名無し57041号さん» コメントありがとうございます。自分が現に大学生ということもあり、不規則な投稿で申し訳ありませんが、投稿頑張りますので、最後までお楽しみいただければ幸いです! (2019年11月20日 22時) (レス) id: 9b4c67fb3e (このIDを非表示/違反報告)
名無し57041号(プロフ) - 更新ありがとうございます!これからも楽しみにしてます! (2019年11月20日 22時) (レス) id: f173930882 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆーれん。 | 作成日時:2019年10月15日 21時

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