舘さんちはなんかロイヤル ページ6
宮子「ととさま、わたしもおうまさんのりたいです」
宮「いいよ、乗ろうか。けれど今日はスカートだから、馬車の方はどうかな」
宮子「ばしゃ!ろいやる!のります!」
宮「じゃあそうしようね」
この、若干不思議な会話をしているのは舘さん。琴音ちゃんはプリンセスに憧れている。
いつもレースひらひらのお洋服を着て、ふわっとしたスカートで。ヘアセットにもこだわりがあって、毎回朝はすごく時間がかかる。
あ、なんかこっち来たぞ。
宮子「ろいやるなばしゃにのりますので、ろいやるなかみのけにしてください!」
A「…ハイ」
ロイヤルな髪の毛、とは。
とりあえず熟睡モードに入ったちとせをベビーカーに下ろし、鞄からヘアセット用の道具一式を取り出す。
ロイヤル…ロイヤル…あ、あれでいいか。
ありがたいことにふさふさな髪の毛。薄毛ちゃんのちとせとは大違い。
量も長さもしっかりあって結びやすい髪をふたつに分けて…
持っていたオーガンジーのリボンと一緒に編み込む。
最後に三つ編みをゆるく解せば、ロイヤルかどうかはわからんが、可愛い髪の毛の出来上がり。
鏡を見せれば表情がぱあっと明るくなったから、どうやらお気に召したらしい。
A「これでよろしいですか、プリンセス?」
宮子「はい!とってもろいやるです!」
A「よかったです」
宮「おや、素敵なプリンセスに変身したね」
宮子「はい!これでばしゃにのれます!」
宮「うん、じゃあ行こうね。姫、ありがとう」
A「いいえ」
舘さんはいまでも私を姫と呼んでくれる。さすがにそろそろそれが恥ずかしかったりもするけど…
変わらないのが嬉しかったりも、する。
かわいい三つ編みを揺らしながら嬉しそうに走っていく琴音ちゃんをみて、ちとせの未来を想像した。
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作者名:まめ | 作成日時:2023年6月30日 15時