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あやかside
涼介くんが
メイクをしてくれて...
目を開けると鏡に映った自分は
すごく雰囲気が変わっていて...
あやか「すごい...」
涼介「元がいいからあんまり
ガッツリメイクしない方がナチュラルだね。」
ん...?
元が....?
あやか「あの...」
涼介「...ッ___いや...」
涼介くんは
慌てた様子で目を逸らした....
あやか「...」
涼介「...ダメだ___隠すなんてできない...」
あやか「え...?」
涼介「...ゴメン」
そう言って涼介くんは
私を後ろから抱きしめた...
なんで...
ごめん...?
あやか「あの...涼介くん...?」
涼介「ゴメン___少しだけこうさせて...」
抱きしめられている腕から
伝わってくる軽微な震え...
泣いてるの...?
あやか「大丈夫...ですか...?」
涼介「...うん。俺ね___」
あやか「...はい...」
涼介「...ずっとずっと好きな子がいたの。」
あやか「...」
涼介「ずっと思い続けてやっと再開できた。」
涼介くんはゆっくりと話し始めた。
涼介「だけど___訳あってその子は
俺の事分からなくなっちゃったんだ___」
分からなく...
あやか「...うん___」
涼介「だから___辛くて...」
声の震えから伝わってくる___
すごく...すごく辛いってこと。
だけど...
あやか「また...1から始めるのはどうでしょうか...」
涼介「...え?」
あやか「...その子のことを想うなら...
また1から関係を築くのはどうですか...?」
涼介「...」
あやか「その子のことすごく大切なんですね。
涼介くんの話を聞いてて思います...
だから___頑張って欲しい。」
そんなに思える人がいるって
すごく素敵な事だと思う。
だからこそ諦めないで欲しい...
涼介「...うん」
あやか「私も今記憶が無いから___
その子の気持ちわかると思うんです。
記憶が無いって不安なことだから___」
記憶が無いって
すごく心細くて不安になる。
私だけ知らない世界に飛び込んだような。
あやか「だから...
涼介くんが寄り添ってくれるだけで
すごく力になると思うんです。」
涼介「...フッ」
あやか「...?」
涼介「...ありがとう。少し元気出た。」
そう言って涼介くんは笑った。
やっぱり笑顔がとても素敵な人。
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作者名:chikuwafam | 作成日時:2020年5月30日 23時