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あやかside
亮が今日も買い出しに出ていった。
あれから何日経ったんだろう。
部屋から出ることも
学校に行くことも...
みんなに連絡を取ることも禁じられる毎日。
だけど、どれだけ言うことを聞いても
亮は私のことを信じてくれない。
そんな時に鳴るインターホン。
聞こえたのは薮くんの声。
あやか「ウソ...なんでここに」
巻き込んじゃいけない___
そう頭では分かっていた。
だけど私はインターホンの応答ボタンを押していた。
"逃げるな"
毎日のように言われるこの言葉。
逃げ出したかった....
だけど....
こんな汚れた体で
皆さんの前になんて....いけないよ___
ずっと呼びかけられる言葉にも
返事を出来ずにいた。
あやか「タスケテ...___ウッ...ッ」
だけど___
皆さんと過ごしたほんの少しの時間。
その幸せな時間が頭をよぎった。
いつの間にか私は
ドアの解除ボタンを押していた。
あやか「...ッ___
タスケテクダサイ...」
"ほんとにいいのかよ。"
"全部投げ出せばいい"
え?
"幻滅されたいのかよ。"
"そんな体でなんて思われるんだろうね。"
"いっその事...消えちゃえよ"
あやか「消え...る___」
"そうだよ。そしたらすぐ楽になれる!"
頭の中で聞こえてくる声。
もうみんな上がってくる___
きっと幻滅される...
それにきっと___
中に....されてるから子供もいるかもしれない___
もう取り返しが付かないかもしれない。
...
私の足は自然とバスルームに向かっていた。
ザーッ...
シャワーを捻ってバスタブにお湯を貯めていく。
スマホに写る
皆さんと撮ったディズニーの写真。
ほんとに心から楽しかった。
今までの自分から変われたかもって...
あやか「ゴメンナサイ___さよなら...」
ザッ
左腕から溢れ出す赤い液体。
それを見ているうちに
どんどん気が遠くなっていく。
あやか「体がふわふわする....」
腕をお湯を張ったバスタブにつけた所で
私は意識を手放した。
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作者名:chikuwafam | 作成日時:2020年5月30日 23時