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薮side
薮「俺ら下に降りて待ってるから準備できたら下に降りてきてくれる?」
あやか「は...はい!」
ちょっと無理やりだけどこうでもしないと
きっと来てくれないし。
ここに1人で居させるのが凄く心配だった。
光「薮〜!のどかわいたから帰りにコンビニ寄っていいー?」
薮「わかった。光先行っててくれる?」
光「おぅ。キー貸して」
光に向かってキーケースを投げる。
光「よし!ナイスキャッチ俺」
そう言ってこちらに手を振りながら光は
駐車場へ向かっていった。
薮「いきなりごめんね。びっくりしたでしょ?」
あやか「いえ...私こそ薮くんにご迷惑をおかけして...」
薮「あやか?こっちおいで?」
あやか「え..?」
薮「俺の前に立ってみて?」
困惑した顔で目の前にくるあやか。
薮「辛いこと1人で我慢しなくていいんだよ?きっと大丈夫だから。」
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あやかside
そう言って私の頭の上に
手を乗せると薮くんはポンポンとしてくれた。
張り詰めた何かがプツリと音を立てて
切れるのがわかった。
あやか「あ...れ?...」
私...泣いてる..?
あやか「ほんとにすいません...なんで涙....出てくる....の」
薮「大丈夫..だからね?」
薮くんは背中をトントンとしてくれて
安心したのか涙はしばらく止まらなかった。
15分くらいしただろうか?
あやか「私..もう大丈夫です...光くんの所に行ってあげてください」
薮「わかった。ゆっくりでいいから準備して下に降りておいで?待ってるから」
あやか「ありがとうございます!」
薮「忘れ物しないようにね!」
そう言い残して
薮くんは光くんの待っている車へ向かった。
えっと..
パジャマと洗面用具と制服と
アイロンと..
あとは..
ずっとお守りにしている香水。
昔出会った人に貰ったもの。
あの人とはあれ以来会っていないし
名前も年齢も住んでいるところも分からない。
だけどずっと大切なもの。
あやか「あ..!早く行かなきゃ」
荷物を持ってエレベーターに乗り
薮くんと光くんが待っている車に向かう。
下に降りると目の前に車が止まっていて
光「お!待ってたよ〜荷物持つから後ろにどうぞ〜」
ドアを開けて光くんがエスコートしてくれた。
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作者名:macaron | 作成日時:2020年1月1日 16時