はちみつマフィン ページ17
「�盒兇気鵝�
「はぁい」
「…………Aチャン……」
「なんですか。……あきらくん」
探し物をする人みたいに、左手が浅く浮いて、フラフラさまよっていた。私が両手で握ると、手の平はぴったり寄り添って、指先が私の手首から『何か』を探さがしていると気づいた。
「撮れ」
手首の上あたりをぎゅうと握って、御堂筋くんが『何か』を探している。
「や、じゃない？」
「いやや」
その時、トクトクトクと早く鳴る音が確かに聞こえた。繋いだ手の向こうから聞こえた。
御堂筋くんの探していたものがわかった。
私の脈を探していたんだ。
「勝手に居ぃひんくなったら、いやや」
私が気づいたと同時に、御堂筋くんがひれ伏したような目で私を見つめた。
「……好きにしてええから。好きに撮ってくれてええわ。記事の、おいしいネタになるんやろ」
「そのために来たんちゃう」
「そのために撮ったらええ。好きにしてくれてええ。負けたところもネタにしてくれてええわ。せやからここに居てて。あと30分でもええから、離れんとって」
手首の血脈が早く早く駆けていく。私の脈か相手の脈か区別もつかないぐらい隙間なく絡みついているのに、その間に皮膚の壁があって越えられない、絶対にひとつにならない、別の生き物だとつくづく思った。だから互いの脈を見失うと、互いが手首を強く絡めて、重ね方を探し続けた。
「ずぅっと居るよ。せやからゆっくり休みよ」
御堂筋くんは腕にしがみついたまま、ゆっくり体を丸くして、静かに深い呼吸を繰り返した。右手には私の持ってきたタオルをぎゅっと握りしめていた。
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なおなお - 完結おめでとうございます。何度も読み返してます。読めて幸せでした、ありがとうございました。 (1月8日 2時) (
レス) id: 55ab2936ef (このIDを非表示/違反報告)
御堂筋クゥン推し - 素晴らしかったです (10月18日 6時) (レス) @page20 id: b81b403b28 (このIDを非表示/違反報告)
RIA__(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても素晴らしい作品でした。2年もの長い歳月をかけて御堂筋くんと向き合い出来た心を打たれる素晴らしい作品です。この作品を読めて幸せでした。ありがとうございました…！ (2023年3月2日 22時) (レス) @page20 id: ac39c61119 (このIDを非表示/違反報告)
いと - 出来ることなら、主さんの解釈・言葉の中で生きる御堂筋くんをもう一度、どんな形でもいいので見たいです。それくらいに完成度の高い、素晴らしい作品でした。完結おめでとうございます。素敵な作品をありがとうございました。 (2023年1月17日 19時) (レス) id: 2e3d0ac53d (このIDを非表示/違反報告)
いと - 弱虫ペダルの夢小説の中で、お世辞抜きに1番クオリティ高い作品だと思います。下でも書かれてる方いますが、主さん以上に、御堂筋くんにここまで向き合って下さった作者さんはいません。もう何回も何回も読み返しています。 (2023年1月17日 19時) (レス) @page19 id: 2e3d0ac53d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杞憂 | 作成日時：2021年2月27日 20時
