昔話12 ページ26
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『･･･よくわかんねーけど、とりあえずさっさと仕事に戻れ』
｢･･･はーい！｣
その時はすぐに話を逸らした
“違和感”がある
その言葉は私を動揺させるのに十分だった
『･･･大丈夫、』
気が付けばそう小さく呟いていた
―――――――――――――――
｢深山さん、もう上がりですよね？途中まで一緒に帰りましょう！｣
『･･･おう』
本当は一緒に帰りたくなかった
でもそうしたのは自分の中ではあの事件の事がどうも頭から離れないようで
人と接さなきゃ、いけない
ダメなんだ
そう思っていたから
｢それで怒られちゃってー｣
『はは、自業自得だろ』
｢わ、深山さんもそれ言っちゃうんすかー｣
『当たり前』
当たり障りない会話を
自然な笑顔を
相手が何を求めているのか
完璧な“答え”を
そう･･･それが1番なんだ
｢･･････ねぇ、深山さん｣
『ん？何だ』
｢･･･疲れませんか？それ｣
『･･･は？』
｢もう･･･やめませんか？｣
『･･･なにをだよ。はは、変なやつだなお前』
｢･･･深山さん、｣
｢笑って、ください｣
椎名は力なく笑った
『だから、いつも笑ってんだ、ろ･･･？』
私が応えた直後の
あの椎名の顔は
絶望
それしかなかった
『しい、な･･･？』
｢ははは･･･ほんと、貴女って人はこうも自分に鈍いんでしょうかね｣
『椎名、どうし･･･』
｢貴女はとても“真面目”だ。それが故にこんなにも変わった“答え”を出してしまうのかも知れませんね｣
『何を、言っているんだ･･･？』
｢･･･ねぇ、深山さん｣
｢笑ってください｣
｢僕のバイト先の先輩ではなくて、“深山A”として･･･｣
椎名は真っ直ぐ私の目を見つめた
その目は何かを懇願しているようでもあった
けれど、私はなにも“答え”を出せなかった
いや、出せなかった訳じゃない
“答え”ならたくさん出た
けど、どれも椎名の言葉にあう“答え”が見つからなかった
だから、そこで私は間違った“答え”を出してしまった
椎名は静かに背を向けた
そして後ろを振り返ることは一度もなかった
私はただそこに呆然と立ちつくした
頭の中で椎名が最後に残した言葉がくっきりした
｢深山さんはいつまでその上っ面だけの笑顔で僕を見るんですか･･･？｣
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白狐 - この物語うまく出来すぎですね！ (2017年6月24日 8時) (
レス) id: abe237d9e6 (このIDを非表示/違反報告)
カヤック(プロフ) - 白熊さん» ありがとうございます･:*+.(( °ω° ))/.:+とっっっっても遅くなると思いますが頑張ります!! (2017年1月5日 23時) (レス) id: 4de5856c26 (このIDを非表示/違反報告)
白熊 - すっっっっごい面白くて一気に読んでしまいました！更新楽しみにしてます！！ (2016年12月28日 14時) (レス) id: f1121a9700 (このIDを非表示/違反報告)
カヤック(プロフ) - 緑月翡翠さん» ありがとうございます！！すっごく嬉しいです！！遅いと思いますが頑張って更新しますo(｀ω´ )o (2016年12月18日 11時) (レス) id: 4de5856c26 (このIDを非表示/違反報告)
緑月翡翠(プロフ) - コメント失礼します！この作品大好きで、いつも読ませて頂いております！無理をなさらない程度に頑張ってください！応援しています(Ι Ι *) (2016年12月16日 20時) (レス) id: 36e773549b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カヤック | 作成日時：2015年9月22日 22時
