8〈丁半2〉 ページ9
バカラ「それでは頑張って下さいね」
そういえばさっきから気になっていた綺麗な女性。
彼女は手袋を外し私の肩に手を置こうとした瞬間、頭の中で警笛がなった気がした。
触れられてはいけない、そんな予感がする。
とっさに避けようとしたが掠めてしまった。
バカラ「あら、そんなに慌ててどうかしたかしら？」
美女が不敵な笑みを浮かべる。
やられた。
なんの能力かは知らないけど、一気に未来の雲行きが悪くなった。
『い、いえ…。びっくりしただけです。避けるようにしてしまいすみません……』
バカラとテゾーロは示しをつけたように目配せをした。
何か企んでいる……！
テゾーロ「こういうルールはどうでしょう、Aくんが買ったら賭け金の10倍をお支払いしましょう」
『じゅ……！ い、いえ！そんな！ いいです！ ……わ ぁたし、そんな大金持つの、こゎぃ』
勝負を受けると決めた先から弱気になる私、情けない…。
怖くて涙が少し滲み出てしまった。あぁ情けない。
隣のテゾーロはその涙を見て口をまたへの字にする。
地雷だったのだろうか。怖い…
テゾーロ「お嬢さん、怖がらせてしまったね」
それは意外にも優しい声だった。
バカラはどういうこと？と言うように顔をしかめた。
テゾーロ「勝ったら大金が手に入る、誰もが羨ましがるこの勝ち条件を、あなたは要らないと言うのかね」
『すみません…』
テゾーロ「いいだろう。その代り、ひとつ教えて欲しい。ずっと無敗だったのには、何か理由があるのでは？」
『……私、未来、とかが、見えるんです』
テゾーロ「……ハハハハハ！！」
また爆音拍手。
大人の魅力たっぷりに見えるこの男、笑いのツボにハマるとまるで少年のように暴れ狂う。
テゾーロ「最高のショーじゃないか！！ なぁバカラ！！」
バカラは顔を引き締めた。
テゾーロ「バカラの能力はなぁ、触れた人間の運気を吸い取る。そしてAくんの能力は未来が見えるときた。さぁ、どっちが勝つか？ このわたしを楽しませてくれるに相応しいショーだ！！」
最低だ…！！ この男！
過去を知ってちょっとでも同情した私が馬鹿だった！
最初から騙すつもりだったのだ。
そして今度は自分が楽しむためのショーにしている。
ひとの人生が左右されるこの局面で…！
バカラ「私の能力は絶対よ？ さぁダイス、サイを投げて！」
先程と同じようにセットされる。
テゾーロ「お先にどうぞ」
未来はどう？ 私だって外れた事ない。
未来を信じるの！
『丁で！』
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石セー(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» 妖狐の巴衛さんコメントありがとうございます！ 励みになります…！休日は珍しくリア充してたのと、展開に悩み更新が遅れました。よろしければまた引き続きお付き合い下さい(*^^*)更新がんばりますー！ (2016年8月22日 15時) (
レス) id: ed6b37685e (このIDを非表示/違反報告)
石セー(プロフ) - 休日の引きこもりMさん» ご返信ありがとうございますー！早速読ませて頂きます♪ 楽しみです(*^^*) (2016年8月22日 15時) (レス) id: ed6b37685e (このIDを非表示/違反報告)
石セー(プロフ) - トモさん» トモさんご指摘ありがとうございます！本当だ…！直しておきます（＾_＾）ゞ (2016年8月22日 15時) (レス) id: ed6b37685e (このIDを非表示/違反報告)
妖狐の巴衛 - 続き頑張ってくださいね！ (2016年8月21日 20時) (レス) id: 5a1cf20238 (このIDを非表示/違反報告)
休日の引きこもりM - ありがとうございます♪私の作品は"世界は輝きに満ちている"という作品です！もしよかったら見てください！これからも応援しています(*^^*) (2016年8月21日 10時) (レス) id: 096d270057 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：石セー | 作成日時：2016年8月14日 14時
