21(微裏?悲)〈癒してくれ〉 ページ22
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こっちへ来い、と指示されて、テゾーロの机の前に立つ。
テゾ「ちがう、もっとそばに」
なんだろう? と思いつつ机の向こうに回って隣に立つ。
テゾ「少し、秘書の仕事にオプション追加していいか」
……オプション?
『内容に、よりますけど』
テゾ「よし」
腰に手を回され呆気なく膝の上に座らされてしまった。
よし、じゃない。何するんですか!
テゾ「わたしは天龍人が、とっても憎い。天上金の引き渡しは毎回、ハラワタが煮え繰りかえしそうになる」
この瞬間作り笑顔が解けた。
そうだ、この人は天龍人のドレイだった過去がある。そのことは人に話さないみたいだけど。知られたくないみたいに。
もちろん、私にも話さない。
『我慢、していたんですね』
テゾ「そうだよ。だからしばらく、わたしを癒してほしい」
『……!』
まるでいじけた子供。髪を掻き分けてぬめるものが首筋を撫でた。
あっ…、と小さな吐息が漏れる。
だめ、そこは、くすぐったい。
テゾ「おや、Aは敏感だなぁ」
さすがエンタテイナー、いやらしい声も上手なわけで
テゾ「あまりかわいい声を出すと、わたしが本気になってしまうよ」
ワザとだ…絶対!
背中にテゾーロの温かい体がくっついて、体の芯が熱くなる。
テゾ「こっちも、小さくて可愛らしい」
後ろから手を繋がれて、ごつごつした指が小さな手の指をクリクリといじくり回す。そこは神経がたくさん集まっていて…1度意識をしてしまったら敏感な場所に変わる。
腰に電流が走るような感覚、やばい
『えっ、あの!あの!』
テゾ「どうした、ただ手を触ってるだけなのに」
『いえ、私は……これで…失礼しま』
テゾ「待て」
席を立とうとしたらあえなく抱きかかえられてしまった。
テゾ「さみしいだろ……」
あ〜…私はそれに弱いんです…。
『じゃあ、あまりからかわないでください…』
悪かった、悪かったと簡単に謝って頭を撫でる。
『大体こういうことは他の……』
他の女性とも貴方ならできちゃうんでしょ?
そう言いかけて、自爆した。さっきまでこの男に、簡単に高揚していたのがバカバカしくなってきた。
テゾ「…A?」
『い、いえ! なんでもないです!…今の忘れて下さい』
心配そうに顔を覗いてきた。
テゾ「どうした、急に悲しい顔して」
『え…そんな私』
笑ってるのに。この男には作り笑いは通用しないらしい。
『本当に、すみません。大丈夫です』
さみしいのは、私も一緒なのかもしれない。
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石セー(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» 妖狐の巴衛さんコメントありがとうございます! 励みになります…!休日は珍しくリア充してたのと、展開に悩み更新が遅れました。よろしければまた引き続きお付き合い下さい(*^^*)更新がんばりますー! (2016年8月22日 15時) (レス) id: ed6b37685e (このIDを非表示/違反報告)
石セー(プロフ) - 休日の引きこもりMさん» ご返信ありがとうございますー!早速読ませて頂きます♪ 楽しみです(*^^*) (2016年8月22日 15時) (レス) id: ed6b37685e (このIDを非表示/違反報告)
石セー(プロフ) - トモさん» トモさんご指摘ありがとうございます!本当だ…!直しておきます(^_^)ゞ (2016年8月22日 15時) (レス) id: ed6b37685e (このIDを非表示/違反報告)
妖狐の巴衛 - 続き頑張ってくださいね! (2016年8月21日 20時) (レス) id: 5a1cf20238 (このIDを非表示/違反報告)
休日の引きこもりM - ありがとうございます♪私の作品は"世界は輝きに満ちている"という作品です!もしよかったら見てください!これからも応援しています(*^^*) (2016年8月21日 10時) (レス) id: 096d270057 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:石セー | 作成日時:2016年8月14日 14時