検索窓
今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:1,388 hit

4,暇もなく ページ6

[ 国木田side]




綺麗に外され床に落ちたドアは、果たしてノックすべきなのだろうか。


俺は二秒ほど考えてから声を掛けて入ることにした。考えている時間が勿体無い。



「社長、入ります。」


返事は無い。



もう一度声を掛ける。それでも返事は無い。


俺の手帳によればこの時間は社長はここで書類整理をしているはずなのだか。



失礼します、と中に入る 。心做(こころな)しかもう一人の気配を感じた。客人が来ているのだろうか、だとしたら良くない機会(タイミング)で入ってしまったかもしれない。



少し後ろめたさを感じながらも畳部屋に足を踏み入れた。








俺が書類を取り落とす、バサバサッという音が異様に響いた。




「.................はい?」



苦し紛れに発せたのはその一言のみであった。




俺が見た光景は凄まじいものだった。



囲碁盤の置いてある綺麗な畳部屋で、社長が、魔都横浜を牛耳る武装探偵社の社長が、少女の鼻にちり紙を当て、所謂鼻チーンと云う色物をしている。








この女誰だ。俺の手帳にも書いておらんぞ。









社長何やってんだ。








社長仕事してないな。
囲碁やってただろ。






鼻くらい自分で拭けよ。幾つだよ。





突っ込みどころしかない凄まじく混沌(カオス)な状況で、俺ができたのは棒立ちで目を見張るだけだった。



社長は此方に気が付くと、表情を固まらせた。否、全身を固まらせた。

少女は鼻をかみ終わったらしく、満足気な表情で此方に屈託の無い笑顔を向けてくる。




「初めまして!Aです!武装探偵社の社員さんですか?」



少女に話しかけられて、何処ぞの宇宙に飛んでいた俺の意識はやっと現世に戻って来た。


社長はまだ固まっている。





「国木田、独歩だ。」



喉の奥からかろうじて名前を捻り出す。この状況では日頃の鍛練の成果など、無に等しい。


それでもゆっくり深呼吸をして、俺は社長に向き直った。







「これは一体どういうご状況で.........?」

5,新たな出逢いが→←3,のんびりしてる


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

梅スイング(プロフ) - あんぱんさん» コメントありがとうございます!精一杯頑張るので、これからもよろしくお願い致します( ´ ▽ ` ) (2016年10月11日 17時) (レス) id: 14caee09cb (このIDを非表示/違反報告)
あんぱん - 社長かわいいなwww今後の連載期待しております。 (2016年10月11日 8時) (携帯から) (レス) id: 28273e2d77 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:梅スイング | 作成日時:2016年10月1日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。