オットのお話-4 ページ29
相「…は？」
シャワーを浴びていると、勢いよく開いた戸。
反射で振り返れば目が据わった表情で仁王立ちしている嶺莉がいた。
相「どうしーー」
言葉の続きは水の中に沈められる。
無言で突き飛ばされた体はあまりに無防備で、なされるがまま湯船に尻餅をつける。間抜けな絵面に見えるが嶺莉にしてみれば、真剣なことのようだ。
暫く、探るようにこっちをじっと見たあと何をするのかと思えば俺の上で膝立ちになって頭を撫でるように抱き締める。
視界一杯に見えるのは、滑らかな白を阻止するような濃い肌色。
俺が嶺莉を守りきれなかった証拠。
あ「ねぇ、消太？どうしてミロのヴィーナスがあんなに魅力的か…知ってる？」
視界の外から降ってくる声は少し怒りを帯びつつも穏やかなものだ。
いや、何故か哀愁とも言えるものだった。
俺の返事もないままに嶺莉は話を続ける。
あ「私は、人間に似ているからだと思うわ。ギリシャでは、美しいとは強いこと、逞しいこと…ふくよかではあるが、どこか女の強さも感じるその黄金率の体から2本の腕がポッキリ折れてしまうことで、ヴィーナスは人間と同等の存在になったのよ。けれど、それは美しい。大抵の人間は、自分の弱い部分や醜い部分を抱えてまま死んで行く、いえ…敢えて、そこはどうこうしないのかもね、「これが自分だから」と。そしてそれもまた、美しい…つまりはね？」
優しく頭を撫でられたと思えば、
あ「こーんなに素敵なアクセサリーが入ったいい女を捨てたら貴方…相当な悪趣味ってことよ？」
腹に顔を埋められる。
個性の影響を大きく受けるその体は特性上、傷つけば傷つくほど強さを増す。力や、筋肉など。逆に、使わなければ使わないほど体は鈍り、言っちゃ悪いが贅肉も増える。
故に、体の一部だけでもみれば嶺莉がどれだけ努力し頭を回してるかわかる。
使える筋肉と飾りに少し柔らかさを残した体。ここまでの体を作るのにどれだけのコントロールを有するかは一言では語れない。
でも、嶺莉としてはそんな完全の美など糞喰らえだ。出会った頃はもう少し固かった感触を変えて今まで維持してきたのは誰のためか。
あ「痕、付けてみて？」
そこまで考えると、愛しくなった。
そんな声してたのはそのせいか。全く、バカな奴だな。
思わず、少し笑うと唇を凹凸のある肌に引っ付けた。
あ「は、ぅ…」
そして、今まで付けては消えていった肌に初めて花を咲かせた。
ツマのお話-5→←オットとツマのお話-3&4(結構がっつりpinkなこと書いてます！気をつけて！！)
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三日月(プロフ) - 凩奏詠さん» やったです！ありがとうございます！！宜しくお願い致しますm(__)m (2018年2月5日 21時) (
レス) id: 6f05e0595a (このIDを非表示/違反報告)
凩奏詠(プロフ) - 三日月さん» 承知致しました！思い付いたらその都度、になりますが宜しくお願いします！ (2018年2月5日 21時) (レス) id: e22f7985b6 (このIDを非表示/違反報告)
三日月(プロフ) - 凩奏詠さん» 全っ然大丈夫です！あの、こちらも差し支えなければ描いた度私にもイラスト見せてもらっても宜しいですか？ (2018年2月5日 21時) (レス) id: 6f05e0595a (このIDを非表示/違反報告)
凩奏詠(プロフ) - 三日月さん» こちらこそありがとうございます！差し支え無ければ、これからも描いていっても宜しいでしょうか？ (2018年2月5日 19時) (レス) id: e22f7985b6 (このIDを非表示/違反報告)
三日月(プロフ) - 凩奏詠さん» めっちゃ見えますよ、大丈夫です。ゴフッ！！(吐血)ヤッバイ、顔めっちゃ好みです…ありがとうございます！保存して、毎日見て、にやけますm(__)m (2018年2月5日 19時) (レス) id: 6f05e0595a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三日月 | 作成日時：2017年12月25日 1時
