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オビside
あ「諦めて、私のそばにずっといて」
そう言うAの顔は柔らかく微笑んで…涙を浮かべた笑顔
オ「っ」
そんなの、無理に決まってるだろ
ここで諦めたりなんかしたら…俺は本当にAといられなくなる
ろくに成果を出してないのも、熱出してAに迷惑かけたのも悪いと思ってる
でも俺は…それこそ、Aとずっと一緒にいたいからこそ頑張れるんだ
あ『私が死んだ後、オビはどんな家族を作るのかしらね』
嫌だ
あ『私のことは、もういいわ』
嫌だ
オ「だったら、A。もし逆の立場でそんなこと言われたとしたらどうする？」
あ「っ、それは…」
オ「…だろ？それなら無理してでも探し続ける」
あ「！」
頑固だと思う、でもただただ嫌なんだ
Aが隣にいない未来なんて考えるだけで…生きた心地がしない
出掛ける準備をする手を早める
あ「私、前にも言ったじゃない。起きたときお前がいなくて寂しかったって」
オ「…」
あ「っ、最後が近いからこそ嫌なのよ…お前に…オビにそばにいてほしいの、私は！」
オ「！」
あ「これね、オビが思ってるほど綺麗な思いなんかじゃないの…ほぼほぼ、私の願い…我儘よ」
…やめてくれよ
その顔と言葉は狡すぎる
あ「お願い…オビ」
オ「…………わかった……ちょっと、考えさせて」
痛いほど真っ直ぐな願いに、俺は背を向けて別室に籠ろうとしたときだった
オ「っ！」
勢いよく、背中にぶつかる温もり
脇腹から抜けてきた腕が俺を拘束する
あ「時間なんて…ないの」
額は…この状態じゃ見えないってのに俺の背に押しつけている
あ「私に…時間なんて…」
青い滴が床へこぼれ落ちる音がする
…ああ、違うのか
違うんだ
オ「…ごめん」
振り返ってAを真正面から抱き締める
あ「っうっ…」
俺はまたしても、Aを置いてってしまったのだ
こんなにギリギリになるまでAの心をおいてけぼりにしてしまった
自然と腰に回した腕に力がこもる
噛み締めた奥歯にも力がこもる
オ「かった…」
本当は…嫌だし、言いたくない
でも
オ「俺が…悪かった」
俺はAの涙に、寂しさに負けた
こんなに悔しかったことは今までなかった
でもAは、満足したかのように腕の中で擦り寄ってきた
本当はどこかでわかってたけど…
無力だな、俺…
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三日月(プロフ) - ブルーフェザーさん» はじめまして、ブルーフェザー様。この作品は私の作品の中でも自信のある作品なので、何度もご愛読下さって本当に嬉しいです！ありがとうございます(^^) (2018年4月25日 18時) (
レス) id: 6f05e0595a (このIDを非表示/違反報告)
ブルーフェザー(プロフ) - 何度も何度も読み返したくなる小説です。私もう4回目くらいです。一度読んだらしばらく立ってまたふと読みたくなって戻ってきたくなる数少ない私のお気に入り小説です。 (2018年4月25日 18時) (レス) id: 1de7f7f4a1 (このIDを非表示/違反報告)
三日月(プロフ) - T.P.O.Kフード民さん» そ、そうでしょうか？でも、死ネタしか書けないのは悩みの種だったのでちょっと気持ちが和らぎました、ありがとうございます(TT) (2016年12月23日 11時) (レス) id: 6b5905d54f (このIDを非表示/違反報告)
T.P.O.Kフード民 - 死ネタしか書けないというのは、ある意味とてもすごいことですよ！死を柔らかく表現できる方は、とても文才があると思います。本当にこれからも頑張ってください！あとオビ作また書いてくれると嬉しいです……。 (2016年12月23日 10時) (レス) id: e26ac923f2 (このIDを非表示/違反報告)
三日月(プロフ) - TPOKフード民さん» ありがとうございます！！しかし、むしろ死ネタしか書けなくて困ってるぐらいなのですがね(--;)でも、そう言っていただけて本当に嬉しいです、本当にありがとうございますm(__)m (2016年12月22日 18時) (レス) id: 6b5905d54f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三日月 | 作成日時：2016年6月22日 8時
